UPnP/DLNAにあって、OpenHomeRoonReadyのプラットフォームにないもの。
 それはひとえに製品層の厚みである。

 RoonReadyはRoonならではの優れたユーザビリティを、AirPlayとは異なり音質を担保したうえで、ネットワークオーディオプレーヤーでも実現することに意味がある。
 そしてユーザーレベルでの一工夫によって価格に関係なく製品層の厚いUPnP/DLNAプレーヤーをそのまま流用可能なOpenHomeとは異なり、RoonReadyはプレーヤー自身が対応していなければどうにもならず、そのうえ、RoonReady対応を表明しているプレーヤーは現状ではいかんせん高額な製品が多く、おいそれと手を出せない。
 RoonReadyの意義を語るにもUPnP/DLNAと比べた際の音質的優位性を語るにも、まずはRoonReadyプレーヤーの製品層が厚くならなければ話にならない。もっとも、仮にRoonReadyというプラットフォームが広まらずとも、Roonの真価にはさして影響があるわけではないが。


 というわけで、安価なRoonReadyプレーヤー(になる製品)として、IQaudIO Pi-DAC+ / Pi-DigiAMP+を紹介する。


IQaudIO

IQaudIO introduce Roon Ready Raspberry Pi DAC, amplifier – DAR


 今流行(?)のRaspberry Piと組み合わせる製品。
 Raspberry Pi 2/3にRoonReady用のイメージを使い、Pi-DAC+またはPi-DigiAMP+を接続すると、あらふしぎ簡単にRoonReadyプレーヤーの出来上がり、というもの。
 Raspberry Pi 3が31.5ユーロ、Pi-DAC+が31.5ユーロ、Pi-DigiAMP+が55ユーロと、価格だけを見ればオーディオ機器とは思えないレベルで圧倒的に安い。

 ……いくら「簡単」なんて言っても、ユーザーに剥き出しの基板を扱わせてシステムのセットアップを求める時点で限りなくDIY色が強く、とても一般化しそうにないが、「こんなのもある」ということで。これも立派なオーディオだ。価格的にもこれ以上安くはなるまい。
 正直言って音質云々を語る製品ではないと思われるが、少なくとも「機能」だけならまごうことなきRoonReadyである。RoonReadyを冠しているのだから、そこに疑義はない。

 Coreを走らせずOutput(Roon Bridge)だけならRaspberry Pi 2/3の性能で十分なようで、IQaudIOがこういった製品を出してきたということは、今後Linuxを採用したオーディオ製品がアップデートか何かで大挙してRoonReadyプレーヤーになる未来も……もしかしたらあるのかもしれない。



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