対応フォーマットやら何やらは下の記事を参照。
 DSD256に対応した「USB出力搭載ネットワークオーディオトランスポート」は海外製品も含めてそんなに数があるわけではないので貴重。

アイ・オーの高級オーディオNAS “fidata HFAS1”、USB-DAC直結再生に対応 – Phile-web



 で、ミュージックサーバーって、最初からfidataってサーバーじゃないの?
 ……と思われるのはもっともだが、海外では「ストレージ内臓/サーバー一体型ネットワークオーディオプレーヤー」の製品ジャンルとして、「ミュージックサーバー」の呼称がそれなりに定着しているので、私もそれに倣っている。

 つまり、「ミュージックサーバー」とは製品ジャンルとしての呼称である。もっとも、この呼称は日本ではほとんど定着していないため、このまま定着するか、それとも別の呼称が現れるかまではわからない。
 そしてネットワークオーディオの三要素で考えれば、「サーバー」と「プレーヤー」の機能を両方備える製品が「ミュージックサーバー」に相当する。ネットワークオーディオの三要素における「プレーヤー」とはすなわち「音源の再生機能」のことであり、DACの有無は関係ない。よって、fidataは紛れもないプレーヤーとなる。
 でもって、fidataは音声出力をUSB――デジタルで行うため、オーディオ機器の伝統に則れば「トランスポート」でもある。
 アレコレとくっ付ければ、最終的にfidataは「サーバー一体型USB出力搭載ネットワークオーディオトランスポート」ということになる。長い。早いとこミュージックサーバーの呼称が定着してほしい。

 色々と呼称が多くてまどろっこしいが、わけもわからず使っているならいざ知らず、それぞれが意味するところをきちんと理解していれば混乱することもあるまい。


 今回、fidataはその本懐である「サーバー」としての機能に加えて「再生機能」を備えたことで、「ミュージックサーバー」となった。
 しかもOpenHome対応。OpenHomeに対応するのだから、On-Device Playlistだってそりゃ当然。
 この通り明記されている。
20160302fidata04

 DELAに引き続き、サーバーを出発点としつつ「まともなネットワークオーディオプレーヤー」としても使えるようになったことは実に喜ばしい。ただでさえ真にオーディオ機器と呼び得るサーバーなのである。これで活躍の場がさらに広がるだろう。
 なお、OpenHomeの採用はネットワークオーディオプレーヤーが「まともな音楽再生機器であること」を担保するうえで確実かつ手っ取り早い選択である。OpenHomeは決して極一部のメーカーに限定された話ではない。妙な勘違いをしてはいけない。


 というわけで、fidataをネットワークオーディオプレーヤーとしてテストしてみた。
 USB DACは例によってiFI nano iDSD、コントロールアプリはタダ乗りもアレなのでBubbleUPnPを使用。
 fidata本体のサーバーを使う場合と、どの程度の需要があるかはわからないが、外部サーバー(一例として今回はPCのTwonky Server 8.2)を使う場合とで分けてある。
 常にそうだが、ズルは無し。嘘も無し。

20160302fidata02プレーヤーとしての使用時には前面ランプが翠色に光る。

20160302fidata03
20160302fidata01
ボリューム値がマックスで16になっているが、ま、細かいことは気にしない方向で。


fidata本体(Twonky Server7.2.10)/PC(Twonky Server 8.2)

操作へのレスポンス:良好/良好
シーク:○/○
スキップ:○/○
ギャップレス再生:○/○
音源のスペック表示:○/○
オンデバイス・プレイリスト:○/○

 完璧
 普通に使えることの素晴らしさ。
 iFI nano iDSDには受けているフォーマットの仕様をLEDの色で知らせる素敵な機能があり、DSD256を含めて各フォーマットがきちんと再生できていることが確認できた。


 今回のfidataといい、先んじたDELAといい、まともなネットワークオーディオプレーヤーが増えることは本当にいいことだ。



【レビュー】fidata HFAS1 ― 清冽な源流

【音源管理の精髄】 目次 【ネットワークオーディオTips】

よくある質問と検索ワードへの回答