*

【レビュー】LUMIN S1

 一週間、時間とやる気の許す限り色々と試してみた。



○外観・機能

LUMIN S1来たる

 「金ぴかバッジ装備」
10

「外部電源が大型化」
3

「DSD 5.6MHzが聴ける」
13

 あとは基本的にA1と同様。
 よって、A1のレビューを参照。



○使用感
 2

 A1と何も変わらない。

 何気なく言っているが、これがどれだけ大きな業績であるかわかるだろうか?

 ネットワークオーディオプレーヤーにおける世代間断絶がないのである。

 「DSD 5.6MHzに対応するか否か」という一点を除き、A1とS1は同等に機能し、同一のユーザー・エクスペリエンスを提供する。
 ユーザーは「同じメーカーなのに世代によってあまりにも出来ることが違う」などということを気にする必要もなく、完璧なアップグレード・パスを手に入れることになる。

 おめでとう、LUMINファミリー。
 T1とD1の登場がますます楽しみになった。

 ただ、さすがに出たばかりということもあってか、動作に関して少々不安定な部分もあるようだ。
 早期の改善を期待したい。



○音質

LUMIN S1を聴く
LUMIN S1でDSDを聴く
続・LUMIN S1でDSDを聴く

 到着直後に聴いた感じだと、端的に言って「A1より音はいいが音が引っ込む」という印象を受けた。
 一歩間違えば「音はいいが面白味がない」という評価になるところだ。

 一週間ほど通電しっ放しで聴くと、かなり様相が変わった。
 ちなみにネットワークオーディオプレーヤーは365日24時間電源入れっ放しが基本だと思っている。


 再生環境

 再生音源
14

 S/Nの高さや音の立体感はますます向上し、透徹した空間の中に磨き抜かれた音が峻厳と立ち上がる。上にも下にも淀みなくレンジは伸びており、微小領域のディティールの表出は音楽にさらなる陰影を与える。
 何より素晴らしいのは、一週間の通電の結果、A1と比べて失くしてしまったと思っていた「熱さ」、そして「勢い」が復活したことだ。さすがにA1ほど楽しげに炸裂するような音ではないが、音楽の躍動をありありと伝えるには十分。声にもだいぶ力が宿った。
 単なる「知的な音」から、「内なる熱を秘めた知的な音」への変貌である。



○結論

 DACにせよプレーヤーにせよ、デジタル・ファイルを音源とする機材として、LUMIN A1は私が今まで聴いてきたなかでもっとも“熱い”音を出す機器だ。それは今も変わらない。
 オーディオ機器として優秀な基本性能を備えつつも、これ見よがしに“音の良さ”を押し出さず、音楽の熱、エネルギーを大切にするのがA1である。

 一方でS1は、A1の美点である“熱さ”を内に秘めつつも、より知的かつ高品位な音に仕上げられている。DACの違いも大いにあるだろう。
 “音楽を躍動感たっぷりに聴かせる”という点ではA1に譲るが、解像度にせよレンジにせよS/Nにせよ音の立体感にせよ、オーディオ的諸性能では間違いなくA1の上を行く。
 その差は必ずしも大きなものではない。しかし、その大きくない差に、決して小さくない価値を見出すのがオーディオという趣味の面白いところだ。業の深いところでもあるが。
 正直に言えば、もはや私の再生環境では両機の差を云々するには不足な気もしている。
 もっと凄まじいシステムに組み込んだ時にS1がどのような音を提示するのか、興味は尽きない。

 S1は究極を目指す人々にとって魅力的な選択肢となり、A1は極めて優れた筐体やユーザビリティをS1と共有し、CPの点でますます魅力的になる。互いが互いを引き立てる良い関係である。
 当面はS1ばかり注目されるだろうが、A1の価値が下がるわけではない。この価格帯でこれだけ豪華な仕様を纏ったネットワークオーディオプレーヤーは、私の知る限り他にない。そんなにDSD 5.6MHz対応が大事か?

 S1の国内価格がいくらになるのかはわからない。
 A1からS1相当へのアップグレードが行われるのかどうかもわからない。

 間違いないのは、音質的にS1はA1を多くの点で上回っているということ。
 そして、LUMINというネットワークオーディオプレーヤーが優れたユーザビリティを実現するプラットフォームとして完成されたということである。


 今はただ、ネットワークオーディオプレーヤーという領域にまた素晴らしい製品が登場したことを喜びたい。

15



【音源管理の精髄】 目次 【ネットワークオーディオTips】

【レビュー】 視た・聴いた・使った・紹介した機器のまとめ 【インプレッション】

よくある質問と検索ワードへの回答

スポンサーリンク


関連記事

サーバーで音は変わるか? ハード編

【ネットワークオーディオの魔境を往く】 - いったい何が始まるんです?  最近某社から

記事を読む

no image

【BDレビュー】 第45回『アンダーワールド』

3月はBDソフトを8枚カッとなってカッた。後悔はしていない。 一年以上の時を経てリリースされた

記事を読む

【ネットワークオーディオTips】コントロールアプリの紹介 『media:connect』(iPad版)

 いつまで経ってもアプリの検証が進まず、気が付いたら2015年になってしまった。  このままでは永

記事を読む

【アプリ紹介】 LUMIN App Version 2.0 検証

↓↓↓再検証したのでこちらをご覧ください↓↓↓ 【ネットワークオーディオTips】コントロール

記事を読む

ECLIPSE TD316SWMK2 いろんなタイトルとの組み合わせ①

0.1の壁 導入編 リファレンスBD10タイトルとの組み合わせ 『第9地区』 効

記事を読む

no image

【BDレビュー】 第11回『エイリアン VS. プレデター』

11回目に突入です。 こないだテレビでプレデターの一作目がやってました。 AVP2も12月公開だ

記事を読む

「DACプリ」に対するささやかな希望

 「DACプリ」と一言で言っても、実際の製品はいくつかの種類に分かれるようだ。 ①アナログ

記事を読む

【Roon Server】Salk Sound StreamPlayer Generation III

 Roon Serverのパートナーで気になったブランドその1。 Salk Sound Str

記事を読む

続・別に無理して「プレーヤー」にしなくても……

別に無理して「プレーヤー」にしなくても……  NetAudio vol.24を読んでいると、と

記事を読む

【音展2014】LUMINブースへの御来場ありがとうございました

 10/18と10/19のLUMINのデモにお越しいただきましてありがとうございました。  急に舞

記事を読む

スポンサーリンク

Comment

  1. ロメオ より:

    実は、このサイトの記事を読んでS1を導入した者です。この度、DSP-01との比較で記事を書かせていただきました。よろしければ、読んでやってくださいませ。

    http://cablefan.net/

    • sakakihajime より:

      ロメオさん

      この記事が何かしらの指標になったとすれば幸いです。
      奇しくも私はSFORZATOオーナーになってしまいましたが、今後もS1を愛してあげてください。

Message

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

スポンサーリンク

【ハイレゾ音源備忘録】The Beatles / Sgt. Peppers Lonely Hearts Club Band (Deluxe Anniversary Edition)

 祝・ビートルズのハイレゾ音源初配信。 ・アーティス

アニメ『宝石の国』が素晴らしい

 アニメから入って、原作漫画も全巻買ってしまった。フォス……

Fundamental LA10 version II / ATT10

「LA10v2」リリース文(PDF) 「ATT10」リリース文(

月刊HiVi 2018年1月号を読んで、ホームシアターでゲームをしよう!【おまけつき】

 本日発売。 月刊HiVi 1月号 12/16発売 

なぜハイレゾ音源を買うのか

 音がいいから、ではない。  私が「ハイレゾ」と言う時は

【UHD BDレビュー】第47回『トランスフォーマー/最後の騎士王』 英国盤 【Dolby Atmos】

画質:10 音質:14 (評価の詳細についてはこの記事

SFORZATO流「ネットワークプレーヤーの使いこなし」が掲載されたので

 我が身を振り返ってみた。 Netwok Audioについて

Bricasti Design M12 / M1 SE mk2のLAN入力がPCM 384kHz/24bit・DSD 5.6MHzに対応

M12およびM1 Special Edition mk2仕様変更のご案

ついに日本でロスレス音楽ストリーミングサービス「Deezer HiFi」が開始

日本初、ロスレス音楽ストリーミング「Deezer HiFi」開始。3,

【レビュー】日本テレガートナー M12 GOLD SWITCH

 魔境深淵注意。  みんなおこらずに楽しく読んでね。

【ハイレゾ音源備忘録】Nicogi / DigiFi No.28付録音源

・アーティスト / アルバムタイトル Nicogi /

「自分の音源ライブラリ」の未来

 言の葉の穴を本格的に始めてまだ間もない頃、こんな記事を書いた。

【Dolby Atmos/DTS:X】オブジェクトオーディオの威力を実感できるタイトル10選・2017年版

 せっかく、「さらなるサラウンド体験のために天井にスピーカーを付ける」

【BDレビュー】第353回『パトリオット・デイ』

 日本ではUHD BDが発売されないという悲劇。 https

LUMIN AppがiPad Pro 12.9インチにネイティブ対応

コントロールアプリのiPad Pro 12.9インチへの対応状況

【BDレビュー】第352回『バーニング・オーシャン』 【Dolby Atmos】

 日本ではUHD BDが出ないという悲劇。 https://

LINN KLIMAX DS/3・DSM/2(Katalyst DAC搭載モデル)がDSDの再生に対応

LINN FORUMS  LINN DSのファームウェア、Dav

WaversaSystems WCORE(Roon Server)

WCORE開発完了 - WaversaSystems  要は

【BDレビュー】第351回『ハードコア』

 一人称視点のアレ。 https://www.youtube.c

UHD BD化を待ち望む作品10選・2017年末版

BD化を待ち望む作品10選  未だBD化されていない作品も多いと

→もっと見る

PAGE TOP ↑