*

LUMIN S1でDSDを聴く

 LUMINファミリーの中でS1にのみ許された「DSD 5.6MHzを聴く」という特権。
 せっかくS1が手元にあるのだから、これを試さないわけにはいくまい。

 手元にまともなDSD 5.6MHzの音源がなかったので、Signe Bakke / CRYSTALLINEという音源を購入した。

 ただ、単にLUMIN S1でDSD 5.6MHzの音源を聴いたのでは何の比較にもならないので、購入した音源をDSD 2.8MHzに変換(JRiver Media Centerを使用)したうえで、


・LUMIN A1でDSD 2.8MHzを聴く
・LUMIN S1でDSD 2.8MHzを聴く
・LUMIN S1でDSD 5.6MHzを聴く


 という流れで聴いた。
 DSD 2.8MHzまで対応しているLUMIN A1との比較、そしてDSD 2.8MHzとDSD 5.6MHzの比較にもなる。


 聴いたのはSigne Bakke / CRYSTALLINEより、「Child of Light – Prisms in the Forest」。
 それはそうとUbisoftのChild of Lightは実に面白った。
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 まず、LUMIN A1でDSD 2.8MHzを聴いた。

 静かな曲であり、極めて高S/N。
 美しく心洗われる旋律で、透徹した響きには一切の刺々しさがない。
 「元からそういう曲なんだよ」と言われればそこまでだし、こういうのが“DSDの音”なのかもしれないが、個人的にはもう少々刺激や力感が欲しくなった。


 次に、LUMIN S1でDSD 2.8MHzを聴いた。

 A1とS1の差として、音の純度が若干高まっているが、大きな違いはない。
 というより、よくわからん。


 最後に、LUMIN S1でDSD 5.6MHzを聴いた。
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 !?

 別物だった。
 静寂や透明感は一切損なうことなく、そこに瑞々しい生命力が加わり、非の打ち所がない音になった。

 なぜこうも違うのだろう。
 DSDの2.8MHzと5.6MHzの違いなのだろうか。
 それともJRiver Media Centerの変換がイマイチなだけなのだろうか。
 より確実を期すためにはJRiverで変換するのではなく、e-onkyoから直接2.8MHzの音源を購入して比較すべきなのだろうが、あいにくそこまでする義理はない。
 なんにせよこの違いは衝撃だった。


 LUMIN S1で聴くDSDは間違いなくいい音だった。
 ただ、それは“DSDだからいい音”なのかどうかは分からない。
 PCMからDSDに変えたところで、DVDからBDになるような変化があるわけではない。
 魔法はない。
 ちなみに、純粋に音としてはPCM 352.8kHz/24bitのJan Gunnar Hoff / Livingの方が好みである。



 問題もある。

 今までは雑誌の付録音源を使い、精々音が出ることを確認するくらいしかしていなかった。
 そして今回はきちんとアルバムを買って通して聴いてみたり、DSD 5.6MHzとDSD 2.8MHzを切り替えつつ聴いたりしてみた。

 するとまぁ出るわ出るわ、精神衛生上非常によろしくないノイズが。

 「ボッ」「ブツッ」「プツッ」

 プレイリストのとおり再生していると各トラックの頭で出るし、曲をスキップしても出る。
 DSD 2.8MHz→DSD 5.6MHz、あるいはDSD 5.6MHz→DSD 2.8MHzの切り替えの際は時折「ブツッブツッブツッブツッ……」と鳴り出し再生不能に。
 これらのノイズはA1でも出るし、S1でも出る。S1の方が高頻度。
 出たり出なかったりするのがまた困る。
 
 一応環境を書いておくと、NASはQNAP TS-119にサーバーソフトはTwonkyMedia7.2.7の組み合わせ。
 LUMINが公式に推奨するMinimServer 0.81を使っても、頻度は下がるもののやはりノイズは出る。
 限りなく完璧に近いユーザーエクスペリエンスを実現していたLUMINにとって、これは大きなマイナスだ。

 「DSD 5.6MHzが聴ける」ことをS1の売りにしたいのなら、この問題はさっさとどうにかすべき。

 DSDは怖いな。



 しかし、希望はある。

 LUMINを作っているPixel Magic社は非常に対応の早いメーカーなので、この問題もそう遠くない将来改善されることと思う。
 どうしてそんなことを言えるかというと、

 2014/07/09にファームウェアが更新されたが、
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 この「0.5秒の頭欠け」という問題、実は7/8に私が指摘したもの。

 そしたらなんと一日で修正された。(単なる偶然という可能性も大いにあるが)たまげたなぁ……

 完璧なシステムを作ることはもちろん大切だが、不具合が生じた時すぐに対処するという姿勢もそれと同じくらい大事だろう。
 大したメーカーである。


 DSDにおけるノイズの問題も、すぐにどうにかしてしまいそうな気がする。


 どうにかなった。

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Comment

  1. 通りすがりの若者その1 より:

    こんにちは。
    LUMIN S1が自宅にあるのはいいですね。
    USBDACを使ってDSD128をネイティブで聴く時も毎回じゃ無いんですがブツッとノイズが入ることががあります。
    私も気になる方なのでチェックしてたらPCMと比べてDSD音源はCPUパフォーマンスをかなり喰っているみたいです。なのでおそらくバックグラウンドで何か動き出すと時々プツプツとノイズが発生します。
    (4GBメモリのCore2Duoの低スペックPCを使ってます)
    また以前ヤマハに問い合わせしたのですが、
    NP-S2000のDACがDSD音源に対応しているみたいなのでアップデートで対応可能か聞いてみるとDSDを再生させるパフォーマンスが足りないため技術的に不可能という回答を頂いたことがあります。

    この記事みて気になったのですが
    DSD再生のネットワークオーディオはプレイヤーだけでなくメディアサーバーの方のCPUなどのパフォーマンスにノイズなどは影響しますか??

    • sakakihajime より:

      通りすがりの若者その1さん

      急遽LUMIN S1の試聴機が舞い込むことになったりして、相変わらずアプリ検証記事は伸び伸びになっております。
      もう手元を離れましたが、一般ユーザー宅にやって来たのはおそらく日本で最初なので、気合を入れて臨みました。

      DSDに関して、なるほどサーバー側のスペックですか。その発想はありませんでした。
      PCとQNAP TS-119、色々なサーバーソフトでノイズの出方を見てみましょう。おっかないですが。
      【音源管理の精髄】第8章のネタがまた増えます。
      いやはやDSDはおっかないですね。

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