*

LUMIN S1を聴く

 というわけで、色々と聴いてみた。


11


 A1と比較すると、


 ノイズフロアが非常に低い。ただ、単に高S/Nというよりも、機器の側で強烈にノイズを消し去っているように感じる。
 「サラ・オレイン / Canta Con Me~あの日の歌」は、A1ではホールに漂う空気感が微細な音の粒子として聴こえていたのに対し、S1ではもはや音として認識できない。「Yes / Roundabout」の冒頭のサーノイズも明らかに小さく抑え込まれている。
 この音源にまで踏み込むノイズの徹底的な排除が、はたして良いことなのか悪いことなのかは、私には判断できない。

 しかし、容赦ない高S/N化により、さらに微細な領域のディティールが掘り起こされているのは間違いない。
 また、静寂の度合いが深まったことによって音の立体感がさらに増している。そのため音数豊富な曲になればなるほど、ひとつひとつの楽器が際立つのが分かる。

 A1は従来のネットワークオーディオプレーヤーのイメージを覆す、圧倒的に“熱い”音を聴かせて私の度肝を抜いたが、S1の音はそれとは異なる。
 端的に言って、A1のような熱さはない。

 A1と違ってボーカルが勢いよく張り出すこともなければ、中音域が楽しげに炸裂することもない。特に「The Winery Dogs / Elevate」を聴いた時にその差は顕著に現れた。これはやかましめの曲に限らず、“歌”の要素がある曲全般に言える。
 S1はあくまで冷静に、緻密に、こともなげに整然と音を提示する。

 音場はA1に比べると奥行方向に展開し、若干左右にも広い。膨大な情報量を受け止めるに十分な空間の広さがあり、音が飽和してしまっている感はない。非常に見通しがいい。
 「Jennifer Warnes / Rock You Gently」など、元々構築美に優れた曲では、凄まじく精緻な空間が出現する。


 A1が“熱い音”なら、S1は……何だろう、“知的な音”だろうか。
 高S/N追求路線や奥行き方向への音場展開など、私が“ハイエンドオーディオ”に抱いている個人的イメージに近い。

 どちらも極めて高いレベルではあるものの、確かにオーディオ機器としての性能はS1がA1を上回っているように思う。


 ただ、ここまでくると……クラシックや静かで耽美な曲しか聴かないというならさておき……“どっちの音が好きか”で選んでもいいような……



 一週間通電してみて、だいぶ印象も変わった。
【インプレッション】LUMIN S1



 余談ではあるが、S1で聴いて一番オオッと唸ったのはコレ。
12


 続く。

スポンサーリンク


関連記事

『アニソンオーディオ』を買ってみた

 しかし、こんな企画がきちんと通るようになったとはたまげたなぁ……  まぁ、ハイレゾ音

記事を読む

no image

【BDレビュー】 第97回『ダークシティ』 北米盤

※日本盤は買ってはいけない。画も音も劣化した挙句ディレクターズカット版ではない※ 画質

記事を読む

【ネットワークオーディオTips】「On-Device Playlist」(オンデバイス・プレイリスト)について

ネットワークオーディオにおけるプレーヤーの役割  On-Device Playlist。

記事を読む

【BDレビュー】 第240回『スター・トレック イントゥ・ダークネス』

ちょっとスポックさんスペック高すぎじゃないですかね…… 画質:11 音質:10

記事を読む

no image

【BDレビュー】 第93回『アニマトリックス』

画質:9 音質:8 映像はVC-1でビットレートは超変動型、30台後半にも乗る。 音声は

記事を読む

【おしらせ】春のヘッドホン祭2015に参加します

フジヤエービック 春のヘッドホン祭り2015 新製品発表会 日時:5/17(日) 14:00~

記事を読む

【ハイレゾ音源備忘録】Tingvall Trio / Beat

・アーティスト / アルバムタイトル Tingvall Trio / Beat

記事を読む

【ネットワークオーディオTips】Wi-Fiの速度がコントロールアプリの挙動に与える影響

 前々から疑問だった。  アプリの挙動に影響するものはライブラリの中身やデバイスの性能だけではない

記事を読む

【Munich HIGH END 2017】DELAの進化は続く

 Munich HIGH END 2017で気になった製品やら何やら。 <HIGH END

記事を読む

【BDレビュー】第318回『ガールズ&パンツァー 劇場版』

画質:10 音質:15☆ (評価の詳細についてはこの記事を参照) 映像:AVC

記事を読む

スポンサーリンク

Message

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

スポンサーリンク

【イベント情報】7/1(土)にオリオスペックでファイル再生のセミナーを行います

 オーディオ用PC等でいつもお世話になっている秋葉原のPCショップ・オ

iPad Pro(2017) 12.9インチを導入した

ネットワークオーディオの本質 - 言の葉の穴  『コントロール』

【レビュー】JS PC Audio HFS1000

HFS1000 - JS PC Audio 【レビュー】JS P

【レビュー】Aurender N100H

【レビュー】Aurender N10 外観・導入編 【レビュー】Au

【レビュー】Aurender N10 音質編

外観・導入編 運用編  Aurender Co

6/10と6/11は第50回「小町まつり」です

君は小野小町の生まれ在所を知っているか 秋田県湯沢市雄勝

iOS11と共にiPhone/iTunesがFLACに対応する……?

iOS11、無劣化圧縮のハイレゾ音源形式FLACに対応! - iPho

HDtracksによるMQAを用いたストリーミングサービス「HDmusicStream」

 TIDAL Mastersの開始を受けて、NetAudio Vol.

iPad Pro(2017)

iPad Pro - Apple  iPad Air2を発売

【地元探訪・神様セカンドライフ編】力水(湯沢市古館山)

神様セカンドライフ 61話「キツネの流儀」 - ヤマノス  

SFORZATO DSP-Dorado

DSP-Dorado - SFORZATO  ベラの次だがベ

【UHD BDレビュー】第19回『LOGAN/ローガン』 北米盤 【Dolby Atmos】

 まごうことなき大傑作。  みんな映画館に行こう! 画

【レビュー】Aurender N10 運用編

外観・導入編  前回の続き。  ……ところで、なんかア

【レビュー】Aurender N10 外観・導入編

 「ミュージックサーバー」を手掛けるブランドとして世界に名高いAure

【Munich HIGH END 2017】記事まとめ

 Munich HIGH END 2017で気になった製品やら何やら。

【レビュー】SOULNOTE D-1 音質編

外観・運用編 ・再生環境(詳細) canarino

【Munich HIGH END 2017】SFORZATO / fidata in Munich

 Munich HIGH END 2017で気になった製品やら何やら。

【Munich HIGH END 2017】Cocktail Audio CA-X50 【Roon Ready】

  Munich HIGH END 2017で気になった製品やら何やら

【Munich HIGH END 2017】constellation audio LEO 【Roon Ready】

 Munich HIGH END 2017で気になった製品やら何やら。

【Munich HIGH END 2017】Roon Labs自身による“Nucleus” Roon Server

 Munich HIGH END 2017で気になった製品やら何やら。

→もっと見る

PAGE TOP ↑