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【BDレビュー】第251回『蟲師 特別篇 日蝕む翳』

画質:8
音質:8


映像:AVC
音声:リニアPCM ステレオ 24bit


○画質
 8年前に放送していた蟲師のテレビシリーズは、『ノエイン』そして『鴉-karas-』と並んで、私が最後に買ったDVDのシリーズとなった。いつかはBDが出るだろうとは思いつつも、作品のあまりのすばらしさに手を出さずにはいられなかったのである。しかし、この蟲師のテレビシリーズだが、後にBDが発売されるタイミングで、悲しい事実が明らかになる。ハイビジョンで製作ではなかったのである。私は嘆き悲しみ、BDの購入を見送った。と言いつつ、こないだスタンダード版を買ったが。
 作品としての出来・価値と、ソフトとしての画質や音質は厳然と分けて考えられるべきである。それは作品に対する敬意でもある。せっかくの素晴らしい作品が、ソフト化の際の手抜きによって見るも無残な画質や音質で発売されたら、ファンは怒り狂って然るべきである。それは作品に対する冒涜に他ならないからだ。
 さて、前置きが長くなったが、久々の蟲師ということで、手が出ないはずもなかった。
 現在放送中の蟲師続章は残念なことにニコ動でしか見ることができないので、この特別篇のBDは蟲師続章の画質を占うという意味でも価値がある。
 で、肝心の画。
 間違いなくHD解像度の画だ。ただ、ハイビジョン(あるいは、フルHD)と言うには、少々画が甘い。720Pあたりで作られているような気もする。ただし、少なくとも8年前のテレビシリーズのBDのアプコンの画とは一線を画する。
 描線は繊細で、かつぶれない。ジャギーに揺れるような不安定さはない。
 背景美術はあくまでテレビシリーズの延長線上といった描き込みだが、解像度が上がったことで、いかにも蟲師らしい土と緑は俄然生命力を増している。
 細かいフィルターワークが色々とかかっているようで、全体的にソフトフォーカス気味ながら見せるべきものはきちんと見せてくれる。
 この作品は「日蝕」がネタになっており、作中の大半は薄暗がりの中で展開する。濃く淀んだ灰色の空は、時折圧縮に伴う色ノイズの片鱗を見せるものの、ぎりぎりのところで制御しているという印象。
 総じて画は安定しており、安心してみていられる。

○見どころ
 日蝕を見上げるかつての登場人物たち(素晴らしいシーン!)
 太陽に向かって立ち昇る蟲の乱舞(高解像度ならではの情報量)


○音質
 ステレオである。
 その意気やよし。
 やる気のないふざけたサラウンドになんかされるよりも、きちんと作り込んだステレオの方がずっと善い。特に蟲師は活劇などではないのだから、この路線は正解だと思う。
 声はやかましいわけでも存在感が薄いわけでもなく、よく通る。
 前シリーズからおなじみの幽冥な音楽の数々も、たおやかに存在を主張する。
 活劇ではないステレオ音響とはいえ、作品全体を通してのダイナミックレンジはなかなかに高く、すべての音楽、すべての効果音に込められた制作陣の愛情をありありと聴き取ることが出来よう。

○聴きどころ
 聲


○総評
 前シリーズのこともあって少々心配していた画質面の不安は払拭されたと言っていいだろう。特典映像を見る限り、蟲師続章はさらなる高画質を期待できそうだ。音質面でも手抜きはない。
 蟲師ファンなら是非買うべし。


○再生環境(詳細はコチラ

・ソース
OPPO BDP-103

・映像
Victor DLA-X30
KIKUCHI SE-100HDC

・音響
Pioneer SC-LX85
Nmode X-PW10
Dynaudio Sapphire
Dynaudio Focus200C
Dynaudio Audience122
Dynaudio Audience52



BDレビュー総まとめ

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