*

【UHD BDレビュー】第23回『エイリアン:コヴェナント』 米国盤 【Dolby Atmos】




 40年近くの時を経てついにリドリー・スコットがゼノモーフを撮る。
 もうそれだけで面白い。


画質:8
音質:14
(評価の詳細についてはこの記事を参照)

映像:HEVC 3.4K撮影(ARRI ALEXA XT)・2Kマスター
音声:Dolby Atmos トップスピーカーの活用:大 オブジェクト効果:大


○画質
 順当な画質。
 全体的には前作の『プロメテウス』と似たり寄ったりの画と言えるが、ノイズで荒れる場面がなくなり、人工物と自然物の双方で情報量が増すなど、全体的な底上げが見られる。
 全編通じて情報量はじゅうぶん。登場人物がクローズアップされる時のディテールの出方もじゅうぶん。暗いシーンは甘くなるが、それでも黒への階調は滑らかだし自然な画なので不満が生じるようなものではない。
 本作では深い闇と強烈な光が同居するシーンが多いため、HDRの恩恵が存分に活きて、強い現実感が得られる。やたらと血が綺麗である。そして薄暗い空間を薄暗いまま、ディテールは出してもノイズを出さず、透明な闇とともに描き切ったのは見事。
 最も凄絶にして美しいシーンは、やはりゼノモーフが生まれるシーンだろう。

○見どころ
 ゼノモーフ
 格納庫


○音質
 エイリアン史上最高音質。
 『プロメテウス』でも聴ける緻密闊達なマルチチャンネル・サラウンドに、背筋を凍らせる威力が加わり、「汗をかく」音響へと結実した。
 「1」から継承されたひどく懐かしい数々の劇伴はさして出しゃばらずとも常に存在感を示し、精緻に構築された環境音とともに濃密極まる雰囲気を醸成する。
 ダイアローグの質感は清廉にして明瞭。時として会話劇の様相を呈する本作において、情念をしっかりと湛えた声は大きな魅力となっている。
 トップスピーカーは徹底的かつ効果的に活用されている。オブジェクトオーディオという観点では移動感と包囲感の猛烈さ、非常に細かい音が膨大に降り注ぐといったハイライトが多数ある。
 完璧に調律された美しい戦慄。

○聴きどころ
 壺の中身をぶちまける
 ゼノモーフ


○総評
 単体ではなんとも消化不良に終わってしまった『プロメテウス』だが、本作の「序章」として見れば実に面白く、むしろ本作は完全にプロメテウスを見ていることが前提の作りとなっている。というわけで『プロメテウス』と本作は、「二つ合わせて一つの作品」として見るべきである。そして展開の素早さはさすがに現代的だが、初代を彷彿とさせるような美しい戦慄を随所に感じることができた。個人的には傑作。
 UHD BDは画も音もいいぞ。買おう。その前に映画館に見に行こう。



○再生環境(詳細はコチラ

・ソース
Panasonic DMP-UB90

・映像
LG OLED55B6P

・音響(センターレス6.1.4ch)
Pioneer SC-LX59(AVプリとして使用)
Nmode X-PM7(フロント)
Nmode X-PW1 ×4(フロント以外の全チャンネル)
Dynaudio Sapphire(フロント)
Dynaudio Audience122(サラウンド)
Dynaudio Audience52(サラウンドバック)
ECLIPSE TD307MK2A ×4(トップフロント・トップリア)
ECLIPSE TD316SWMK2(サブウーファー)



【Dolby Atmos/DTS:X】オブジェクトベースシアターへの道・まとめ

【UHD BDレビュー】総まとめ

【BDレビュー】総まとめ

【レビュー】 視た・聴いた・使った・紹介した機器のまとめ 【インプレッション】

スポンサーリンク


関連記事

マランツ・NA-11登場記念 ネットワークオーディオの現在と未来を考える

※この記事は2013年2月5日に書かれたものです マランツ、60周年記念のUSB-DAC/

記事を読む

SFORZATO × Roon Ready + Roon Server

SFORZATO will be Roon Ready!  というわけで、記念すべき国産機初の

記事を読む

no image

【BDレビュー】 第38回『ダニー・ザ・ドッグ』

画質:11 音質:10 映像はAVCで30Mbpsを基準に上下。基本的にビットレートはかな

記事を読む

【ネットワークオーディオTips】コントロールアプリの紹介 『SongBook HD』

 いつまで経ってもアプリの検証が進まず、気付けば2015年になってしまった。  このままでは永遠に

記事を読む

PS4 Proが来た!

 PS4 Proの発表のタイミングで初期型を手放した結果、2ヶ月もPS4で遊べないというのは想像以上

記事を読む

no image

【BDレビュー】 第171回『エイリアン 四部作』

『エイリアン』  画質:7 音質:8 『エイリアン2』 画質:8 音質:10 『エイリアン3』 

記事を読む

LUMIN A1、導入2周年

 色々あった一年だった。  当たり前のようにTIDALに対応したり、Qobuzにも対応したり。

記事を読む

no image

【BDレビュー】 第180回『96時間』

画質:8 音質:13 映像はAVC、音声はDTS-HDMAの24bit 画質につ

記事を読む

【BDレビュー】第287回『Chappie / チャッピー』 北米盤

画質:11 音質:13 映像:AVC 音声:DTS-HD Master Aud

記事を読む

リファレンスBD10選・画質編

 オーディオ・ビジュアルの領域において、ハードの画質音質を評価するためにはソフトが必要になり、ソフト

記事を読む

スポンサーリンク

Message

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

スポンサーリンク

【レビュー】SOULNOTE A-2 続・音質編 ― 純正ボード「SSB-1」と純正ケーブル「SBC-1」

【レビュー】SOULNOTE A-2 導入・外観・運用編 【レビ

DELA N1ZSの後継モデル

DELA、ミュージックライブラリーの最上位「HA-N1ZS20/2A」

NetAudio vol.29で記事を執筆しました

 本日発売。  なんとも光栄なことに、2017年のネットオー

HiVi 2018年2月号で記事を執筆しました【おまけつき】

 昨日発売。 月刊HiVi 2月号 1/17発売「HiViグ

【レビュー】SOULNOTE A-2 音質編

【レビュー】SOULNOTE A-2 導入・外観・運用編 愛によ

【レビュー】SOULNOTE A-2 導入・外観・運用編

SOULNOTE A-2 ― Dynaudio Sapphireへの捧

【CES2018】RoonのMQA対応、そしてAudirvanaが……Windowsに……!?

MQA Expands its Reach - stereophile

SOULNOTE A-2 ― Dynaudio Sapphireへの捧げもの

【レビュー】Dynaudio Sapphire  Dynaudi

生涯最高のカレンダー

 最高すぎる。 2018 磯野宏夫カレンダー

言の葉の穴 2017-2018

 「言の葉の穴」読者の皆様、あけましておめでとうございます。  昨年

言の葉の穴・2017年のハイライト

 オーディオネタも地元ネタもごちゃまぜのセレクション。  年の初めか

【レビュー】SOtM tX-USBultra

 どれだけPCとのUSB接続にオーディオ的な問題があると言っても、現に

【ネットワークオーディオTips】fidata Music App

【2017/12/30 アプリの正式リリースに伴い記事を更新】

【ハイレゾ音源備忘録】大原ゆい子 / 煌めく浜辺(アニメ盤)

なぜハイレゾ音源を買うのか ・アーティスト /

【ハイレゾ音源備忘録】YURiKA / 鏡面の波(アニメ盤)

なぜハイレゾ音源を買うのか ・アーティスト /

【BDレビュー】第354回『宝石の国』

アニメ『宝石の国』が素晴らしい  付

Roon 1.4でiOS端末をOutputとして使用可能になった

Roon 1.4 Is Live! - Roon Labs Ne

『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』はUHD BDでリリースされるのだろうか

 最後のジェダイを先日見てきた。  あるシーンでは「最初からそれをや

【ハイレゾ音源備忘録】Bruce Springsteen / Born to Run – 30th Anniversary Edition

・アーティスト / アルバムタイトル Bruce Spr

【ハイレゾ音源備忘録】The Beatles / Sgt. Peppers Lonely Hearts Club Band (Deluxe Anniversary Edition)

 祝・ビートルズのハイレゾ音源初配信。 ・アーティス

→もっと見る

PAGE TOP ↑