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【BDレビュー】第334回『アイアン・ジャイアント』 北米盤

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 時々、自らのコレクションに迎え入れられることを誇りに思う作品が存在する。
 『アイアン・ジャイアント』はそんな作品だ。


画質:10
音質:10
(評価の詳細についてはこの記事を参照)

映像:AVC
音声:DTS-HD Master Audio 5.1ch


○画質
 同時代の……例えばディズニー作品のように隔絶したディテールに満ちているわけではないにせよ、フィルムに焼き付けられた情報は最大限の精度でもってHD解像度の器に注がれている。
 手描きキャラクターの輪郭は滑らかさと解像感を高度に両立。背景美術は穏やかなフィルムグレインの衣を纏い、豊潤なディテールを誇らしげに開示する。CGIのジャイアントは解像度が上がってもなお、背景美術や手描きキャラクターの中に完璧に溶け込んでおり、僅かな違和感も抱かせない。夜のシーンであっても、闇の深さと見通しの良さのバランスが良く、甘くなることも、ノイズが噴き出すこともない。
 画面を構成するあらゆる要素がフィルムの柔らかな質感の中で調和している。
 BD化に携わった人々の作品に対する深い愛情と敬意を感じられる。これ以上はあるまいと素直に思える、素晴らしい仕上がりである。

○見どころ
 すべて


○音質
 小気味よく作られた人間たちの愉快な音と、ジャイアントが撒き散らす巨大な音。異なる世界の住人が鮮烈な音のコントラストを織り成す。
 ダイアローグは明瞭にしてニュアンスも充実。存在感のある劇伴やアクションシーンの轟音の中にあっても埋もれることはない。
 本作におけるサラウンド音響はジャイアントのためにあるようなもので、跳ねたり飛んだり撃ったり食ったり、やることなすことことごとくがマルチチャンネルを存分に生かして表現される。ジャイアントはただ歩くだけでサブウーファーが大活躍で、後ろから追いかけられようものなら恐怖を覚えるレベルである。
 ジャイアントがいるおかげでダイナミックレンジは非常に広く、アクション映画として見ても聴いても大満足。最終局面に到ってはサラウンドジャンキー感涙の移動感と轟音が炸裂する。

○聴きどころ
 ジャイアントが後ろから迫る!
 ビッグオー的なアレ


○総評
 素晴らしい作品が素晴らしい画質と音質で楽しめる、これほど素晴らしいことはないし、そのためにオーディオビジュアルの趣味をやっている。このことをあらためて認識させてくれる、そんな素晴らしいBDである。

 それにしても、アニメでも何でも、往年の名作をBD化するとなった時、あちらとこちらでなぜこうも大きな差が出るのか。
 BD化に携わった人々の作品に対する愛情と敬意。結局はここに行き着くのだろうか。



○再生環境(詳細はコチラ

・ソース
Panasonic DMP-UB90

・映像
Victor DLA-X30
KIKUCHI SE-100HDC

・音響(センターレス6.1.4ch)
Pioneer SC-LX59
Nmode X-PM7
Nmode X-PW1 ×3(サラウンドにモノラル×2、サラウンドバックにステレオ×1)
Dynaudio Sapphire(フロント)
Dynaudio Audience122(サラウンド)
Dynaudio Audience52(サラウンドバック)
ECLIPSE TD307MK2A ×4(トップフロント・トップリア)
ECLIPSE TD316SWMK2



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