Stereophile’s Products of 2015 Editors’ Choices of 2015

 二人の2015年エディターズ・チョイスに選出。
 確かにそれだけの価値はある。
 最近あらためてRoonを使う機会があったのだが、やはり、いい。
 細かいことは抜きにして、「こりゃすげえ」と唸らせるだけの魅力がRoonにはある。


 「聴きたい曲をあっという間に見つけ出して再生する」というブラウズから再生に到る快適さに関して言えば、「自分の意思を反映させることで構築した自分にとって理想のライブラリ」と「優れたコントロールアプリ」の組み合わせに軍配が上がる。これは間違いない。
 その一方でRoonは、「聴かずに眺めているだけでも楽しい」。音源に付加された膨大な情報が有機的に結びついてライブラリが目くるめく「音楽の海」と化すことで、未だかつてない音楽体験を味わえる。

 どちらが優れているか、ではなく、どちらも優れている。
 ただ、前者の恩恵を常々享受している身として、新たにRoonの楽しみを味わってしまうと、何とか両者をうまい具合に融合できないかと考えてしまう。
Roonでネットワークオーディオの実践はもちろん可能だが、現状RoonはあくまでPCの再生ソフトであり、システム的には狭義のPCオーディオでしか使えない。そのため、私のように単体ネットワークオーディオプレーヤーを使っている人間はシステムに完全には組み込むことができない。これは悲しい。再生機能はとりあえず置いといて、Roonの強力極まりないライブラリ機能を独立させて、サーバーソフトやコントロールアプリに組み込めないだろうか。
 例えばLUMIN Appのように、それ自体で独自にナビゲーションツリーを持っているアプリであれば、その部分にRoonを組み込む余地があると思うのだが、どうだろう。



【レビュー】Roon

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