何がって、ネットワークオーディオを取り巻く状況が。


 一年半前、「ただ座して待っているつもりはない」と書いた。
 おかげさまで、その言葉を偽らずに済んでいる。

 【音源管理の精髄】と【ネットワークオーディオTips】を書き続ける中で、「音楽再生におけるコントロールの方法論としてのネットワークオーディオ」という考え方を、より強固かつ磨かれたものにしてきたつもりである。
 その結果として、少し違った視点から状況を見回せるようになった。


 いい時代になった。

 ネットワークオーディオの「製品ジャンルとしての盛り上がり」や、「業界全体の習熟」という点では、未だに……なのは確かだ。
 しかし、ユーザーひとりひとりが本気で「ネットワークオーディオをやろう!」と思った時に取り得る選択肢は、一昔前……それこそ私がネットワークオーディオの門戸を叩いた5、6年前からすれば、質・量ともに大いに広がっている。

 その意味で、いい時代になった。


 学生時代、私はLINNのHPを眺めながら、「ネットワークオーディオいいなぁ……DS欲しいなぁ……MAJIK DSでも45万か……無理だなあ……」と悶々としていた。
 当時の私は「ネットワークオーディオ=LINN DS」という認識しかなかった。しかし今になって見返してみても、本当の意味でネットワークオーディオを実践するためには、やっぱりLINN DSを導入するしか選択肢がなかった。

 時を経てMAJIK DS-Iを買った。
 その時にはiPhoneがあった。iPadがあった。SongBook DSがあった。ChorusDSがあった。ChorusDS HDがあった。QNAP TS-119があった。既に環境は整っていた。
 ただ、それしかなかった。まだまだandroidでは用を為せなかった。ネットワークオーディオの真価を味わえる環境は非常に限られていた。

 しかし、状況は変わった。
 androidにはBubbleUPnPがある。
 JPLAYStreamerだって使える。下手な単体プレーヤーが立つ瀬を失う。
 相変わらず単体プレーヤーは製品ジャンルとして盛り上がっていないことも確かだが、単体プレーヤーを使わず、PCの再生ソフトでネットワークオーディオを実践することもできる。あらゆるUSB DACとの組み合わせで快適な音楽再生が可能になる。PCオーディオはもっと自由になれる。
 もはや単体プレーヤーに頼る必要はなくなった。
 一方で究極を目指そうと思えば、単体プレーヤーも単体サーバーも選択肢が増えた。


 ふと気付けば、価格帯的に上から下まで、ネットワークオーディオの可能性は大きく広がった。大切なのは選択肢がたくさんあることだ。
 そして、ネットワークオーディオの本質、実践するための根本的なノウハウは、今も昔も変わっていない。

 このHPがネットワークオーディオの福音書となれば幸いである。



【音源管理の精髄】 目次 【ネットワークオーディオTips】