<音展>バッファローのNAS“DELA”が大きく進化、オーディオプレーヤーとしても使用可能に


 非常に非ッ常に、とてつもなく重要なニュースである。
 アイ・オー・データの高音質NAS参入も重要だが、今回の音展における最重要項目は間違いなくコレだろう。



 はっきり言って、偉業である。



 何が?



 NASからUSB DACに直で接続できるようになったこと?

 違う。
 それだけなら一部のQNAP製品でも可能である。もっとも、現状では実質的に使い物にならないだろうが。
 素直にPCを使えばいい。



 実質的に“ネットワークオーディオトランスポート”として機能するようになったこと?

 USB出力を備えたネットワークオーディオトランスポート。ネットワークオーディオの方法論を用いつつ、製品層の厚いUSB DACを活用できる優れたソリューションである。私はこれこそ、狭義のPCオーディオの目指すべき地平だと考えている。Voyage MPDなんかが実現するのも本質的にはコレと同じものだ。(違ってたらごめんなさい)
 そしてアップデートにより、DELAの製品はその機能を獲得することになった。確かに素晴らしいアップデートではあるものの、厳密にはこれも違う。
 国内ではほとんどお目にかからないが、海外にはUSB出力を使用するネットワークオーディオトランスポートも色々と存在する。ストレージ内蔵タイプの製品もある。一応Aurenderなんかは国内にも入ってきている。何にも情報発信がないから存在感もゼロだけどね。とにかく、必ずしもDELA製品だけが備える価値ではないのだ。



 では、何が?



 これだよ!


LINN DSを除くほとんどのネットワークプレーヤーでは、いわゆる「プレイリスト」の情報を操作アプリ側で持つため、プレイリスト再生時にアプリ側が落ちるとプレーヤー側の再生も止まってしまうとのこと。しかしN1Z/AではリンDSと同様、プレーヤー(N1Z/A)側でプレイリストを持つため、アプリが落ちたり閉じたりしても、引き続きプレイリスト再生を続行できる




 待っていた。
 待ちくたびれて腐り落ちるくらい待っていたよ。

 あ、あと一応言っておくとLUMIN製品もOn Device Playlistの機能を備えてるのでよろしく

 なんでそんなに大騒ぎしてんの? と首をかしげる人は、とりあえずこの記事を読んでほしい。


 

 私は嬉しい。
 嬉しくてたまらない。
 国産ネットワークオーディオプレーヤー第一世代、LINN DSの後塵を拝しておきながらギャップレス再生すらできないという絶望。
 それ以降数を増やした国内外のネットワークオーディオプレーヤーの数々。いまさらギャップレス再生が可能になりましたなどと喧伝する情けない現状と現実。
 「On Device Playlist」、あるいはこの言葉が意味するところを、その重要性をきちんと理解している人、オーディオ業界の中にどれだけいました?

 はっきり言って、最近になって色々と登場した国産ネットワークオーディオプレーヤーの第二世代においても「On Device Playlist」への言及がまったくなかったのを見て、私はむこう3年間はまた足踏みが続くと思っていた。
 ところがどっこい、このニュースである。

 BUFFALO、偉い! ほんとに偉いよ! DELA製品が登場した時に色々と酷いこと言ってごめんなさい! でもN1Z高すぎ! よくやった! ありがとう!



 国産ネットワークオーディオプレーヤー(厳密にはトランスポートだが)が、「ネットワークオーディオで実現する快適な音楽再生」という夢を、「絵に描いた餅」ではなく真に実現したのである。操作性や快適さについても、正しい文脈で語ってくれている。

 そして、「On Device Playlist」という、ネットワークオーディオプレーヤーにとって必要不可欠な機能について、国内メーカーとしてついに言及してくれた。

 これを歴史的快挙と呼ばずして何と呼ぼうか!




 まぁ、「On Device Playlist」なんてあって当然の機能なんだけどね。



 それを実現したのが純然たるオーディオメーカーではなく、あくまでPCの周辺機器メーカーであることにこだわるBUFFALOだというところに、大きな歴史の転換を感じる。記事でも述べられているが、BUFFALOはこれだけのことを達成していながら、あくまでDELA製品は周辺機器であるとの認識のようだ。このアップデートによって、DELA製品を“ミュージックライブラリー”と呼んでいる辺りにもその思想が見て取れる。
 これが何を意味するのか。オーディオ業界はもっと真剣に考えるべきだ。
 「PCオーディオ対ネットワークオーディオ」なんていうクソくだらない対立軸で煽り合っている場合じゃないぞ!


 実際に音展会場でBUFFALOの担当者と話すこともできた。
 私は安心した。アイ・オーの担当者もそうだったが、彼らの熱意と真剣さは本物だ。
 ネットワークオーディオという領域について勉強し、その置かれた状況を理解し、出来ていることと出来ていないことを見極め、何か必要かを分析できている。
 私はことあるごとに、ネットワークオーディオという領域に対するオーディオ業界の無理解と不勉強に憤慨し、呆れ果ててきた。今回の音展のオーディオ協会によるネットワークオーディオの展示を見てみればいい。いったい何だあれは。
 その一方で、BUFFALOとアイ・オー・データの担当者からは、紛れもない情熱と、進歩への意欲と、そしてそれを実現するための姿勢を感じることができた。まったくもって嬉しくて仕方がない。この喜びは未だかつてなかったものだ。まさか、と言うと失礼かもしれないが、純オーディオメーカーではなく、周辺機器メーカーからこのような感慨を受けるとは思わなかった。これも時代の流れか。面白い。私も負けてはいられない。



 より細かく見ていけばまだまだ取り上げたい点も多いが、とりあえず私の歓喜で終わりたい。
  
 素晴らしいことが起こったのだ。

 ネットワークオーディオはまだまだこれからだ!