画質:8
音質:15
(評価の詳細についてはこの記事を参照)

映像:HEVC 35mmフィルム撮影・2Kマスター
音声:DTS:X トップスピーカーの活用:中 オブジェクト効果:大


○画質
 UHD BDにおけるHDR表現の見本と言っていいような、鋭く伸びた輝きと、高輝度にあっても失われない色彩とディテール。本作にせよ『パシフィック・リム』にせよ、CGまみれのギラついた映像は自然/風景の描写と同じくらい、HDRの恩恵を受ける。特に後者は閃光やメカのハイライトが白飛びせずにしっかりと色が残るため、画面から受ける印象がBDに比べてずいぶんと色彩豊かなものとなっている。
 ダイナミックレンジの余裕は主として強烈な光の表現に振られ、金属のハイライト強化が現実感の向上に少なからず寄与している。一方、ビカビカと光らないシーンでは、晴天下であることを思えばむしろ暗いと感じることもある。
 解像感や情報量の向上はあるにはあるが、HDRに比べると画質への寄与は少ない。登場人物のクローズアップ時のディテールもいまひとつ振るわない。
 それほど出しゃばるものではないが粒状感がしっかりと付加されており、硬質な画の醸成に一役買っている。

○見どころ
 CG全開の光と金属のハイライト


○音質
 喝采。
 猛烈な水しぶきを撒き散らせながら激突する巨大な金属塊が吐き散らす爆音、轟音。CGの光彩にまみれたハイテンションの映像さえ呑み込んで見るものを揺さぶる、映画音響かくあるべしという出来映えである。
 BDの時点で素晴らしかった重厚さ・威力にくわえて、UHD BDではDTS:X収録によってより精緻な移動感を獲得している。「空飛ぶノコギリボール」のように、「それ自体が音を出しながら空間を飛び回る」オブジェクトは、文字通りオブジェクトオーディオの真価を聴かせてくれる。
 音楽がサブウーファー込みで朗々と鳴り、ダイアローグは劇伴と火砲の爆音の渦中にあっても明快に耳に届く。
 瞬間的な威力よりも空間を満たす量感を重視したとおぼしき艦砲よりも、ギチギチギチギチ鋭利な金属音を叫びながら大暴れするノコギリボールの方が、聴いていて面白いと感じた。
 ちなみにBDはDTS-HD Master Audio 5.1ch収録であり、評点を付けるなら13点。UHD BDではディスクリートのチャンネル数が増えたぶん音圧的にもさらなる迫力が得られている。

○聴きどころ
 砲
 空飛ぶノコギリボール


○総評
 ホームシアターがあって、画は上々、音は最高ときたら、あとはもう見るしかあるまい。
 話? こまけえことはいいんだよ。



○再生環境(詳細はコチラ

・ソース
Panasonic DMP-UB90

・映像
LG OLED55B6P

・音響(センターレス6.1.4ch)
Pioneer SC-LX59(AVプリとして使用)
Nmode X-PM7(フロント)
Nmode X-PW1 ×4(フロント以外の全チャンネル)
Dynaudio Sapphire(フロント)
Dynaudio Audience122(サラウンド)
Dynaudio Audience52(サラウンドバック)
ECLIPSE TD307MK2A ×4(トップフロント・トップリア)
ECLIPSE TD316SWMK2(サブウーファー)



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