CES2016における最大のニュースはRoonReady。
私個人が選ぶハイライトはAudioQuestの死ぬほどかっこいいポリシー表明。
そして最も衝撃的な製品となれば、ELACのコレを選ぶ。
<CES>ELAC、A.ジョーンズが手がけた同軸スピーカー「Uni-Fi」シリーズ。Roon内蔵プレーヤーも – Phile-web
Roonは基本的にパソコンにインストールして用いるソフトだが、本機はこのRoonを内蔵している。パソコンを立ち上げることなく、Roonから音楽を再生できる。
ということで、記事タイトルにある「Roon内臓プレーヤー」という記述がこの製品の何たるかを端的に表している。
CES2016ではRoonReady・Roon Server・Roon Coreが発表された。これらはつまり、Roonの各機能を切り分けてオーディオ機器に担わせる方法である。
よって、RoonReadyプレーヤーにはRoon Serverが必要だし、Roon ServerとなるためにはRoon Coreが必要になる。
ELAC Discovery Music Server NEW – Mono and Stereo
一方で、このDS-S101はずばり「Roon内臓プレーヤー」である。一応製品ジャンル的にはミュージックサーバーとなる。中にフル機能のRoonが入っているのかどうかはわからないが、つまるところ、「Roon Server + DAC」ということか。とにかくこの一台でRoonが動き、音楽が聴ける。もちろんコントロールは外部端末から行う。
とはいえストレージを内蔵していないので、NASをマウントするか、USBストレージを接続する必要はある。そこの音源にRoonの魔法がかかるという寸法だ。
この手の「安くて便利なプレーヤー」は昔から色々と出ていた。しかし、何しろ今回は中身がRoonである。今までとは「便利」のレベルが違う。それがLANケーブルを繋ぐだけで使えるようになる。
しかもお値段は999ドル。
“includes a limited lifetime device subscription to Roon”とあるので、要は、「この製品に関してはずっとRoonが使える」ということだろう。ユーザーではなく、製品に対する利用契約のようだ。Roonの永年契約が499ドルということを考えれば、無闇に高いというわけではない。
あとは音質が気になるが、あまり純粋な高音質が求められる製品でもないだろう。
総じて、DS-S101は「安くて便利なプレーヤー」というジャンルを全く新たなレベルへと引き上げる画期的な製品と言える。
それにしても、ELACからこんな製品が出てくるとは。
しかも「エラック90周年記念製品」というからには、相当気合が入っている。
ELACは以前からRoonのハードウェアパートナーに名を連ねてはいたが、「スピーカーメーカーがRoonと組んで何をするんだ?」と思っていた。そしたらコレである。
最近のELACはエントリークラスのスピーカーを精力的にリリースしている。さらにプレーヤー・アンプも含めて提供し、カジュアル層へのアピールを強めたいということか。
是非日本市場への導入も期待したいところだ。
【CES2016】記事まとめ
【音源管理の精髄】 目次 【ネットワークオーディオTips】