画質:8 音質:10


映像はAVC、音声はDTS-HDMAの24bit。

画質について。
明るい場面は90年代前半の画質を意識したのか、どこか懐かしく垢抜けない画を現代的な高精細でもって見せる。
暗い場面はこの手のいわゆるB級映画にありがちな、どこか荒れて薄汚れた闇がたたずむ。この暗部の荒れはDVDならば圧縮の問題と情報量不足が相まって単なる弊害にしかならなかったろうが、BDにおいては純粋に画作りの妙として楽しむことが出来る。闇、陰、暗部が汚れているということは、つまり、そういうことなのだ。
技術的、圧縮的、メディア的に薄汚れることなく、純粋に作品の一環として付与された荒れが見られるというのも、BDの持つ大きな魅力である。

音質について。
ドンパチ……というにはそれほど銃弾の数は多くないが、そのぶん一発一発の銃声の重みや迫力は非常に素晴らしい。この点、ひたすら数で勝負する『シューテムアップ』とは好対照である。非常に鋭く重く、サラウンドチャンネルも目一杯使って、一発一発の銃声の意味を非常に色濃く表現する。銃声自体の音は派手の極みだが、銃による銃声の違いもきちんと描き分けられており、力押し一辺倒の音作りではない。
惜しむらくは、ひたすら銃声の威力に音響製作の労力が割かれているという印象で、それに比べると音空間の構築といった点まではそれほど意識が及んでいないということ。それでも飛び交う銃声をに応じてマルチチャンネルはきちんと轟音を吐き出す仕事を果たしているので、素晴らしく緊張した銃火の渦中に身を置くことができる。



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