画質:11 音質:11


映像はAVCでSPEらしい手堅いエンコード。
音声はリニアPCMの16bit。

画質について。
奇怪で醜悪、そして幻想的にして耽美な画が続く。各場面の“色”が明確に統一されており、白、青、黒、橙、薄緑、青白などなど、それぞれに非常に美しいまとまりがある。ヘルボーイが主役の映画ではあるが、むしろ画的には常にヘルボーイの朱色が浮くことになる映画。また、“原色”が全くと言っていいほど登場しない。どの色も悪趣味一歩手前の混合色で艶めかしく主張するが、えもいわれぬ調和を保っている。
いかにも高画質な写真的な美しさというよりは濃厚な絵画的な美しさ。こういった画は今まで見てきたBDソフトの中でも無二。基本的には粒状感を利かせた情報量志向で、コントラストも深く強靭、妖しい色彩を闇の中から克明に浮かび上がらせる。
クトゥルフとナチスを題材にしたファッキンオーサムな作品にして、画質的にも妖美な魅力が満載。

音質について。
肉感的な生々しさと超常的な華々しさが同居する、一粒で二度おいしい音響。見れば分かるとおり、この作品における戦闘・アクションシーンはCG全開ではなく、むしろ円谷特撮的な重々しさと善い意味での胡散臭さに溢れている。
ヘルボーイとクリーチャーが揉み合い殴り合う場面などはまさにウルトラマン対怪獣といった趣であり、音響効果もそれを思わせる。ぬらぬら、くちゃくちゃ、ぶるぶる、血と肉と骨の存在を感じさせる。
一方、CGが主になる場面では実に現代的な重く鋭く重層的な音響製作がなされており、こちらも非常に素晴らしい。サンシャインやゴーストライダーほどではないが、アオイホノオの灼熱感は特筆に価する。



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