いわゆる「ソープオペラエフェクト」の話。
 元々毎秒24フレームで作られている映画に対してテレビのフレーム補完の機能(メーカーによっていろんな呼び方がある)を使うと、映画本来の質感が台無しになってしまう。だから、映画を見る時は、フレーム補完をオフにしましょう、という話。


ソープオペラ効果とは? - テレビが台無しにしたシネマルック – CINEMA5D


 私が初めて体験した本格的なフレーム補完は今から11年ほど前、学生としては分不相応な買い物だったソニーのKDL-40X5000において。
 『スパイダーマン 3』のBDに対してフレーム補完を「強」設定でかけると、今まで「ブレるのが当然」だと思っていた映画の映像が異様な鮮明さでぬるぬると動くようになり、それはそれは感動したものだった。

 しかし、感動は長く続かなかった。
 フレーム補完がうまくハマれば異様な鮮明さが得られる一方で、「うまく補完できない」部分に生じる破綻が目に付くようになった。24フレームが補完されて120フレームになることの不自然さより、「補完ミスによる破綻が目について映像鑑賞が台無しになる」ことが我慢できなかった。

 結局、スポーツなどハイフレームレートであればあるほど恩恵が得られるコンテンツではフレーム補完によるメリットが上回るとしても、「毎秒24フレームで作られた映画は24フレームのまま見るのが一番」という結論に達し、今に到るまでそれを貫いている。

 いつの日か「完璧」かつ「絶対に破綻しない」フレーム補完技術が完成するのかもしれないが、たとえその日が訪れても、私は作られたままの形で映画を見たい。



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