*

LUMIN L1 続・音質編

前の記事


 前回の試用ではS1との組み合わせだったが、本導入の今となってはA1との組み合わせである。
 というわけで、あらためてL1の唯一にして最大の長所、不便極まる運用上の難点を吹き飛ばして余りあるその音質について検証する。



○比較対象

QNAP TS-119(SSD 600GB) + EL SOUNDアナログ電源


○再生環境

LUMIN A1
BENCHMARK DAC2 HGC(プリとして)
audioquest Ethernet Vodka(直近のハブからA1とL1を接続)
Nmode X-PW10
Dynaudio Sapphire

 一応言っておくと、LUMIN A1でのアップサンプリング等は一切なし。
 さすがに今回はL1の設置環境・ケーブル等にも気を使っている。


 再生曲その1
20141204-2
 その2
20141204-3



 S1との組み合わせでL1を聴いた時、「サーバーでこれほどまでに音が変わる」という体験に打ちのめされ、ある意味では冷静に考える余裕がなかった。
 そして今一度聴いてみて、L1の音質的諸相――ギターのジューシーさもボーカルの艶やかさもディティールの表出も演奏の立体感も中低音の充実感も音像の透明感も音場の広がりも、何もかもがあまりにも違う――が何に起因するのかわかった。

 滲みがないのだ。

 滲みがなくなった結果、音楽が姿を変える。
 単に紫だと思っていた音色は、実は青と赤から構成されていた。
 ギターの音の表面に、実は歪みが漣のように立体的な感触を与えていた。
 乱雑で膨らんだ響きに隠されて、実はパーカッションが繊細なリズムを刻んでいた。
 互いに押し退け合うだけだったコーラスは、実は驚くべき立体感を醸成していた。
 音の底でどろどろと蠢いていた低音は、実は明快な意図をもって跳ね回っていた。
 より一層真っ黒に沈んだ背景に、実はさらに多くの輝きが浮かんでいた。
 聴こえる。見える。気が付く。
 高S/N化、中低音の改善、色彩感の向上、オーディオ的に語れることは多いが、それらがひとえに“サーバーを替えた”ことで得られるというのは驚きと言わざるを得ない。
 あとはやはり、静かな曲よりもやかましい曲の方が大きな向上を実感できる。

 なぜサーバーで音が変わるのか、と聞かれても困る。そんなこと私は知らん。想像することならできる、もとい想像することしかできないが、それをさもわかったことのように言い触らす趣味は私にはない。
 そして、「サーバーで音が変わるとか本気で言ってるの? 頭おかしいんじゃね?」と言われても甘んじて受けるしかあるまい。実際に聴いてみて、としか言えない。
 高音質サーバーという製品ジャンル、大いにありだ。


 加えて、聴いていてあることに気付いた。
 S1にL1を組み合わせると、中低音の充実感やら演奏の迫力やらが見えてきて――つまるところA1的な要素が加わって、音楽が聴くのがより楽しくなった。
 A1にL1を組み合わせると、高S/N化や中低音の見通しが改善されることで――つまるところS1的な要素が加わって、オーディオ的な快感がさらに増した。
 面白い。


 音は良い。
 音だけは良い。
 音に限って言えば抜群に良い。
 そしてL1はLUMINのプレーヤー以外にも使えるサーバーなので、色々なプレーヤーと組み合わせた時にどんな表情を示すのか、その辺の興味も尽きない。



LUMIN L1 まとめ

スポンサーリンク


関連記事

no image

【BDレビュー】 第127回『BLOOD THE LAST VAMPIRE』

フルデジタル製作黎明期の傑作。 デジタルという言葉から連想される機械的無機質さは全く無く、むしろ非

記事を読む

ヱヴァ新劇場版のサントラ3作が11月5日からハイレゾ配信

ヱヴァ新劇場版のサントラ3作が11月5日からハイレゾ配信。e-onkyo musicとmoraで

記事を読む

no image

【BDレビュー】 第51回『アルティメット』

画質:11 音質:8 映像はAVCでビットレートは30Mbps台を中心に推移。しょっちゅう

記事を読む

サーバーで音は変わるか? ソフト編

【ネットワークオーディオの魔境を往く】 - いったい何が始まるんです?  ハード編の続

記事を読む

NetAudio vol.25で記事を執筆しました

 この手のおしらせはしばらく放置していたが、これからはマメにやっていこうと思う。  と

記事を読む

【おしらせ】『季刊NetAudio vol.17』に記事を書きました

1月19日発売! 『ネットオーディオvol.17』はハイレゾ時代に必須の情報満載!  特集

記事を読む

【ネットワークオーディオTips】コントロールアプリの紹介 『Creation 5』(iPad版)

 いつまで経ってもアプリの検証が進まず、気が付いたら2015年になってしまった。  このままでは永

記事を読む

LUMIN A1を試す・DSD編

導入編 動作編 機能編 LINN DSとの徹底比較  LUMINのネットワークオーディ

記事を読む

fidata HFAS1 導入編

 2014年の音展でプロトタイプを目にして以来、色々な意味で登場を心待ちにしていたサーバー。  真

記事を読む

【ハイレゾ音源備忘録】 Keith Jarrett / The Koln Concert

・アーティスト / アルバムタイトル Keith Jarrett / The Koln Conce

記事を読む

スポンサーリンク

Message

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

スポンサーリンク

【おしらせ】OTOTEN 2017に参加します

 久々だと思っていたら三週続けてのイベント参加です。 O

【おしらせ】春のヘッドホン祭2017 / 第2回北陸オーディオショウの「デジ研」に参加します

 久々のイベント参加になります。 春のヘッドホン祭201

【レビュー】Nmode X-DP10 音質編

外観編 設定(主にJPLAY)・運用編 ・再生環境

Roon 1.3 (Build 216)、PCM 768kHz・DSD512

Roon 1.3 (Build 216) Is Live! - Roo

【レビュー】Nmode X-DP10 設定(主にJPLAY)・運用編

Nmode X-DP10 外観編  ドライバをインストールし

【レビュー】Nmode X-DP10 外観編

Nmode X-DP10 続・Nmode- X-DP10

【祝】『マインド・ゲーム』BD化!

『マインド・ゲーム』Blu-rayプロジェクト - STUDIO4℃F

【菅江真澄紀行文】試作品が出来上がりました

クラウドファンディングサービス「FAN AKITA」でプロジェクトを実

【BDレビュー】第342回『マックス・ペイン』

画質:9 音質:12 (評価の詳細についてはこの記事を参照)

Asset UPnP Release 6

サーバーソフトの紹介 『Asset UPnP』 Asset UP

続・Nmode X-DP10

新製品発売のお知らせ - Nmodeの部屋 発売日は2017年4

LUMIN A1、導入3周年 終わらない進化とMQA対応

 LUMIN Appはバージョン3から相変わらず最強だし、  iPh

【UHD BDレビュー】第18回『シン・ゴジラ』

【考察】シン・ゴジラとヤマタノオロチ、そして現代のスサノオ神話

PS3の出荷(近日)完了に寄せて

PS3本体の出荷が近日終了 - GameSpark  私のP

【Roon Ready】CHORD Poly

 CHORD Mojoに接続して使う、Roon Readyの「ポータブ

【UHD BDレビュー】第17回『オペラ座の怪人』

『オペラ座の怪人』のUHD BD 画質:9 (画質は

LUMIN is NOW Roon Ready! そしてMQAとSpotifyにも対応予定

LUMIN STREAMING SERVICES  ほんとに

【レビューまとめ】fidata HFAS1-XS20 ― 専用機であるということ

外観編 音質・サーバー編 音質・ミュージックサーバー編

【レビュー】fidata HFAS1-XS20 × OPPO Sonica DAC 音質・ミュージックサーバー編

外観編 音質・サーバー編 fidataのCDトランスポート

【Roon Ready】dCSのNetwork Bridge

dCS、RoonReady対応のネットワークトランスポート「Netwo

→もっと見る

PAGE TOP ↑