同時にUHD BDが出ている作品のBDを評価するのはいささか心苦しいのだが、まぁ。
ちなみに『キング・アーサー』という同じタイトルの映画が2004年に出ている。
【BDレビュー】第33回『キング・アーサー』
2004年の映画は重厚な歴史スペクタクルの様相を呈しているのに対し、本作は……なんというか……
画質:9
音質:8
(評価の詳細についてはこの記事を参照)
映像:AVC
音声:Dolby Atmos トップスピーカーの活用:小 オブジェクト効果:極小
○画質
必要十分な情報量があり、適度にグレインも効いたシャープな画。衣服や小道具のディテールは克明に描写され、俳優のクローズアップ時はなかなかに冴えた画を見せる。
黒側の階調もしっかり粘って細部までよく見える。エクスカリバーの刀身の複雑な波紋も立体感が出ている。暗くてもおおむね解像感はキープされるが、踏みとどまれずノイジーかつ甘くなってしまうシーンも散見される。
青みがかかったグレインのグラデーションだけで描かれるという厳しいシーンでも、ノイズやバンディングといった弊害が出ることはなかった。
こんな具合で画質的には全体的に安定して高くまとまっているものの、色彩豊かなシーンや見目麗しいシーンというのがなく、あまり高画質という印象は受けない。
CGはなんか雑。
○見どころ
聖剣無双
○音質
大作映画なだけあって、マルチチャンネル・サラウンドはしっかりと作り込まれている。あるべき場所であるべき音が鳴る。
が、総じてダイナミズムが希薄であり、盛り上がるべきところでじゅうぶんな盛り上がりを生み出せていない。大軍隊が激突する際の重厚さやスケール感はなく、剣戟の激しさや鋭さもない。でかい象や蛇が出てくるところでは低音の迫力はかなり感じられる。
エクスカリバーは人智を超越した神秘的な音を聴かせてくれるかと思いきや、風が吹くだけかよ!
ダイアローグは良好。あぁ、イギリスだなって感じの発音をしっかりと聴かせる。
アトモス的な醍醐味はほとんど感じられず。上下の空間が意識されるシーンであってもトップスピーカーはまるで活きず、オブジェクト効果を感じさせるほど明瞭な移動感が演出される展開はない。
こと音響面では、歴史スペクタクルならではの重厚さを感じられた2004年のアーサーに完敗である。
○聴きどころ
特になし
○総評
wikiによれば全6部作とか言ってるけど、やめた方がいいのでは。
UHD BDは別に……
○再生環境(詳細はコチラ)
・ソース
Panasonic DMP-UB90
・映像
Victor DLA-X30
・音響(センターレス6.1.4ch)
Pioneer SC-LX59(AVプリとして使用)
Nmode X-PM7(フロント)
Nmode X-PW1 ×4(フロント以外の全チャンネル)
Dynaudio Sapphire(フロント)
Dynaudio Audience122(サラウンド)
Dynaudio Audience52(サラウンドバック)
ECLIPSE TD307MK2A ×4(トップフロント・トップリア)
ECLIPSE TD316SWMK2(サブウーファー)
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