生まれてこのかた何百回何千回と通っている道の脇に、この柱は立っている。
 電柱との位置関係はもうちょっと何とかならなかったのか。
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 場所はデイリーヤマザキ湯沢関口店の道路を挟んだ向こう側。
 野原の向こうに神社が見える。
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 そこに生まれて初めて足を踏み入れたのだ。
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 道の途中で、元稲田(げんどうだ)稲荷神社と側面に刻まれた石碑が目に入った。
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 元稲田稲荷とはお隣の羽後町で有名な「あぐりこ神社」のこと。
 「おさんこ」が何を意味するのかは不明なのだが、この神社はあぐりこ神社と何らかの関係性を持つということなのだろうか。おさんことあぐりこ。うーむ。

【追記】

 「おさんこ」って、もしかして「おさん狐」のことか……?


 先んじて、境内の隅にある石碑群。上述の石碑は影になっていて見えない。
 保呂羽山はいいとして、古伏龍王神社とはいったい……
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 さて、正一位おさんこ稲荷大明神(長いので以下おさんこ稲荷)にやってきた。
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 石造りの鳥居も狛犬ならぬ狛狐も立派。
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 近辺(関口寺沢)は石材店が多く軒を連ねており、そのワザマエのおかげだろう。
 石灯籠や本殿も立派である。
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 ところでこの「おさんこ稲荷」、秋田県神社庁のページにも記載がなく、詳細不明。
 「稲荷」についてあまり興味関心を持たず過ごしてきたツケが、今になって無学という形で顕れている。我ながら情けない。
 これだけ地域の信仰篤く、立派な装いを保っている以上、きちんとした縁起があるはずだが……

 いずれにせよ、個々の深掘りはまた別の機会に譲るとしよう。


 とっぴんぱらりのぷう。



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 …………



 ……



 …



 ん?



 そういや境内の一角に……



 !?
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 建物の梁には、薄れているが「塞の神さん」と書かれているようだ。
 ここはまさに関口村と湯沢の境界。塞ノ神の座所にはうってつけである。
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 これらは宇宙論的広がりすら有する文化的に極めて重要な実体である。
 卑猥とかなんとか言って触れないわけにはいかないのである。


 というわけでヤマノスに棲む金精様、どうぞお納めください。
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【追記】

 金精様について情報提供を頂いた。

 もともと金精様は道路沿いにあり、それらが地元の神主さんによって一カ所にまとめられた。
 そしたら「道沿いにこんたなあるごったばわらしだぢのきょういぐにいぐねべ!」とPTAに言われ、今の場所に移したのだという。

 ……知っての通り、秋田県の少子高齢化は全国最悪の水準であり、そして湯沢市の数値は県平均よりもさらに悪い。
 もしや、「教育に良くない」とかなんとか言って金精様を腫物のごとく扱ってきた結果がこの少子化だったりする可能性が……?