最後のアレがやりたかっただけだろ!
ライアン病患者乙!!
画質:9 音質:9
画質について。
彩度がかなり控えめだということを除けば、昨今のデジタル撮りの映画作品としてはかなり標準的かつ高水準な画。
フィルムのそれとは決定的に異なる質感の粒状感を積極的に付与しつつ、闇においてもSNが高くノイジーには転ばない。情報量も豊富、解像感も見事、相当に狭い明暗の中にも稠密なグラデーションを見せる。鮮やかさとは程遠い、深く濃く硬派な画。全体的にかなり渋い画調だが、時折見せる刃の強靭な煌めきが強い印象を残す。
ずば抜けて優れているという印象も無いが、かなり際どい画に走りがちな昨今において良心的ともいえるバランス感覚が素晴らしい。
安心して“歴史ものの高画質BD”と勧められる。
見どころ:
森全般
音質について。
こちらも映像同様、派手さは無いが質実剛健によく練られている。
声の質感、ひとつひとつの効果音の存在感、BGMの活用、不足している感じは全くない。サラウンドの活用も流石に上手。特に力が入れられたと見える弓矢にまつわる音は素晴らしく、鋭さとともに重みと凄味をもって軌跡を描く。
惜しむらくは、作品内容としてかなりエンターテイメントに振られた映画ながら、音響的なハイライトがいまいち輝かないところ。同じ監督の史劇と比較しても、グラディエーターにおけるコロシアムの大歓声やら、キングダムオブヘブンにおけるエルサレム攻防戦のカタパルト大爆撃やら、その手の音響的爆発力には欠ける。小細工のない軍勢対軍勢の激突も、テンションはブレイブハートのそれに及ばない。
とはいえ、映画音響として非常に高いレベルでまとまっているのは事実。
ロビンの撃つ矢の軌跡を鼓膜に刻むべし。
聴きどころ:
ライアン病
BDレビュー総まとめ
【BDレビュー】 第193回『ロビン・フッド』
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