『ワイルド・スピード』 画質:7 音質:8
『ワイルド・スピード X2』 画質:7 音質:8
『ワイルド・スピード X3 TOKYO DRIFT』 画質:9 音質:8
『ワイルド・スピード MAX』 画質:9 音質:9

映像は四作品ともVC-1、音声は三作目を除きDTS-HDMAの24bit、三作目のみDTSオンリー

画質について。
一作目と二作目はフィルム撮り最末期の作品。終始赤茶けた色彩とぎらついた色彩が全編を覆う。年代的に期待されるレベルの解像感や情報量は備えておらず、むしろ80年代後半~90年代前半的な雰囲気の映像と言える。暗部のノイズはそれなりに抑えられているが、やはり絶対的な情報量不足には変わりない。
三作目と四作目はフィルムからデジタル撮りに変わり、不満があった情報量不足は一挙に解消される。いかにも2000年後半のアクション映画らしいカリカリの画で、フィルム時代に比べて色彩も随分と豊富になっている。
三作目に関して言えば、画質的には大幅に進化したものの被写体が日本(謎の)ということで、画質的には良くても映像的にはちっとも美しくないというあたりが物悲しい。東京の高校生活恐ろしすぎだろと。時折暗いシーンで急に甘さを見せるのが少々気になる。
映像のビットレートは既に全然気にしていないしまさかとは思うが、一作目二作目三作目はHDDVD時代のマスターを流用してるんじゃ……
四作目はさすがに手慣れたもので、深く濃くディティールに溢れた映像で、近作の中でも高水準をいく。主人公コンビのツラの迫力も過去最高。ここまでくると、暗部にざらつきを残しているのはもはや意図的なものだろう。
フィルムからデジタルへの変遷も含め、尻上がりに画質が良くなっていく好例と言える。
見どころ:
ブライアンのヒゲ面
ビン・ディーゼルのハゲ頭

音質について。
全作品通じて音がでかすぎる。
アンプを変えたというのも理由の一つだろうが、録音時点での音量がとにかくでかすぎて面食らってしまった。
音がでかすぎるだけならまだいいのだが、ランボー最後の戦場やプライベートライアンのようにダイナミックレンジも極大に確保されているわけでもなく、車に乗って走り出した瞬間にあらゆる音が音圧上限いっぱいに高止まりする印象であり、轟音の中の機微を楽しむような余裕が全くなかった。マルチチャンネルの活用としては、カメラワークに伴って車の走行音が前後左右に走り抜けていくという基本以外では、BGMのミックスと噴出するエンジン音くらいしかなく、音量の割にそれほど印象に残らなかった。それでも作品を重ねるにつれて徐々に音数と工夫が増えていったのも事実であり、手っ取り早く「全チャンネルから音が炸裂する!すげー!」的な感動を味わうにはもってこい。
私のせいぜい6畳そこらの視聴環境ではこれだけの音圧を吸収できず、音響的な魅力を見つけられなかったというのもあると思う。より広く、より防音に優れ、より大音量で満たせるような環境であれば大分印象が異なったものになるはず。
ちなみに三作目はDTSのロッシーのみという謎仕様だが、前述のとおり音がでかすぎるせいでロスレスとの違いがどうこうと言える状況ではなかった。
聴きどころ:
車全般



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