画質:9 音質:13


映像はAVC、音声はDTS-HDMAの16bit。SPEはドルビーを見限ったのか?

画質について。
高画質ではあるものの、綺麗ではない。まあ必ずしも高画質=綺麗、ではないから当たり前といえば当たり前か。
近作に求められる高画質の要件を非常に高い水準で満たしており、圧縮に伴う技術的な問題も見られない。ディティールはきりりと浮かび上がり、鋭利かつ重厚な光と闇の描写は彩度を抑えた映像もあいまって硬質な世界観の構築に大きく寄与している。問題があるとすれば、一部夜の野外シーンで情報量の著しい欠落が生じる――実にのっぺりした画になるということ。いいカメラを使わなかったのか、意図的なものなのかは不明。
黙示録後の世界の薄汚さと、スカイネット基地内のクリーンさの対比は画質面でも画作りの差として表出されている。

音質について。
素晴らしい。
原典であるターミネーター2が良くも悪くも時代どおりのあまり面白くない音響だったのに対し、こちらは現代の音響哲学を縦横無尽に駆使したものとなっている。
重くて硬くて強い機械軍団が唸りを上げながら、やたらめったらに銃火器を撃ちまくる。効果音ひとつひとつの威力は十二分、明瞭そのもので、サラウンド効果も終始絶頂感を維持する。
音響的な最大の見せ場は人型巨大メカのシーン。銃火器、重砲、車、爆発、悲鳴、諸々の音が四方八方から鳴り響く中、それらの隙間を埋めるのは機械そのものの駆動音。地震の如き凄まじい轟音が空間を塗りつぶす。



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