画質:11
音質:12
(評価の詳細についてはこの記事を参照)

映像:AVC
音声:DTS-HD Master Audio 7.1ch


○画質
 とにかく乱高下。
 さすがは5K撮影と膝を打つ凄まじい画がぽんぽん飛び出す一方、物凄く久々に見た感のある、暗部でざわつくノイズがしょっちゅう顔を出す。夜空なんかだいぶ悲惨なことになっている。どうしてこうなった。
 悪い方面に目を瞑れば、重厚にして強靭、ハイライトも闇もよく粘る豊富な諧調、強烈な立体感を伴う解像感、あらゆるディテールに息を吹き込む情報量など、素晴らしい画質の基礎体力を備えている。原色的な鮮やかさはないものの、装飾品の黄金をはじめ、豊潤な色彩が随所で煌めきを放つ。
 闇の中にあっても、わずかな光源さえあればほとんど解像感が落ちることなく、キレのある画が実現されている。
 最近のリドリー・スコット作品でよく見る仄青い闇のシーンでは、通常のシーンと何ら遜色のない解像感と情報量がモノトーンの中で息づき、異質かつ神秘的なシーンに大いなる凄みを付加している。

○見どころ
 わたしはある
 十の災い


○音質
 いかにもリドリー・スコットな冒頭の集団戦から気合いの入った音を聴かせる。力強くサラウンド感もたっぷり。馬の蹄と戦車の車輪、戦場の怒号が混然一体となって見るものを打ち据える。
 そしてそれ以上の存在を感じさせるのが十の災い。鰐、蛙、虻、雹、蝗、そしてエジプトに臨む恐るべき闇が、登場人物が対峙している存在の底知れない偉力を厳然と示している。音響的には蝗の凄まじさが印象的である。圧倒的な音数が全チャンネルから吹き荒れ、逃げ場も何もあったものではない。
 そしてお待ちかねの紅海。押し寄せる水塊は、「巨大なもの」の音はかくあるべきと思わせる、巨大な音を伴って押し寄せる。

○聴きどころ
 蝗
 紅海


○総評
 最大瞬間風速は凄まじいが、近年ではめったに見なくなった画質の揺れ幅が悪い意味で大きいタイトル。既に出ているUHD BDだとどうなのだろうか。音についてはまったく申し分なし。
 『十戒』と本作の最大の違いはラムセス役のカリスマ性でしょ。



○再生環境(詳細はコチラ

・ソース
OPPO BDP-103

・映像
EPSON EH-LS10000
KIKUCHI SE-100HDC

・音響(センターレス6.1ch)
Pioneer SC-LX85
Nmode X-PM7
Nmode X-PW1 ×3(サラウンドにモノラル×2、サラウンドバックにステレオ×1)
Dynaudio Sapphire
Dynaudio Audience122
Dynaudio Audience52
ECLIPSE TD316SWMK2



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