ゲーム産業は「映画+音楽」よりも大きくなった―調査会社IHS Technology – Gamespark

調査会社のIHS Technologyはインフォグラフィックを公開し、世界のゲーム産業が2015年には920億ドルに到達し、映画産業(620億ドル)と音楽産業(180億ドル、ただし録音された音楽に限る)を合算よりも大きい最大のエンターテイメント市場となると明らかにしました。


 だそうだ。


 私が小さかった頃から、日本においてゲームは「堕落した子供の遊び」、もっと言ってしまえば「低俗かつ気色悪いコンテンツ」として扱われてきた。「ゲームが好き」と言うだけで顔をしかめられるくらいには。
 実際のところゲームに芸術的・文化的にどのような価値があるかはさておいて、ゲームがコンテンツとして世界的に受け入れられ、巨大な規模の産業に成長したということだけは確かである。
 これは常々感じることだが、得てしてオーディオという領域は自らを「高尚な趣味」として扱われること自体に心血を注いでいるようだ。それゆえに、ゲームなどという「低俗なコンテンツ」を自らの内に入れまいと排斥し続けてきたのだろう。
 ところが、その低俗なコンテンツ=ゲームは映像表現でも音響効果でもストーリーテリングでも進化と深化を続け、さらに今となっては「高尚なコンテンツ」であるはずの映画・音楽を産業規模において上回ってしまった。ゲームが単なる児戯でしかなかったのは遠い過去の話だ。
 他ならぬコンテンツの楽しみの増幅を担う側が、自らにあてがわれるコンテンツを選り好みするような状況が健全だとはとても思えない。コンテンツはなにもゲームに限った話ではないが、こんな姿勢でオーディオ業界の発展など望むべくもない。
 オーディオとゲーム。オーディオ機器でゲーム。いいじゃないか。

 920億ドルの市場の中でいわゆる「スマホゲー」が占める割合は定かではない。
 しかし、PCやPS4やXBOX ONEなど、いわゆる据え置きでじっくり遊ぶスタイルのゲームも相当に多かろう。となれば、いくらでもオーディオ機器に繋げて楽しめる。
 ゲームはプレーヤーが介入できる音と映像であり、オーディオ機器による再生品質の向上で著しい恩恵を受ける。「映画を見るためにホームシアターを始めたが、ついでにゲームにも使っている」というだけではなく、「ゲームを愉しみたくてホームシアターを構築した」というケースがもっとたくさんあってもいいくらいだ。
 また、ゲームは映画やアニメと同様「サントラ」という強力な音楽コンテンツも伴う。ゲーマーはゲームへの強烈な愛着があるからこそサントラを購入する。そしてより鮮やかにゲームの感動を追体験したいと願い、音質の向上に可能性を見出す。
 ゲームをきっかけにしてオーディオの門戸を叩いた人々に、オーディオという領域はどう応えるのか?

 ゲームは別に高尚なコンテンツになる必要はないし、ゲームを高尚な趣味として認める必要もない。
 貴も賎もなく、立派なコンテンツのひとつであると認めるだけでいい。
 あとはただ、好きなものを好きなように楽しめばいい。

 というわけで、ホームシアターでゲームをしよう