歯に衣着せぬ!

駄目なモンには容赦なく駄目出し!

しかし素晴らしいモノには惜しみの無い賛辞を!


40回を越えて今一度。コレが当視聴記のモットーであります。
75~92の間でしか点数が動かない評価なんてつまんないよね。
是非是非今後ともよろしくお付き合いくださいませ。


さて、今回はバイオハザードトリロジーBDBOXとして再リリースされた中のバイオ2を取り上げます。こちらは4分の長尺バージョンで、エクステンデッド・カットということのようです。
BD黎明期に出たバージョンを“通常版”、そして今回のBOXに含まれるバージョンを“完全版”とでも呼ぶことにしましょう。


わざわざ買い直す形になったんだからさ、いい夢見させてくれよ。

参考:第17回 『バイオハザード2』


画質:9 音質:10


映像はAVCで30Mbpsを基準に前後。
音声は二言語をドルビーTRUEHD収録。
AVCの使いこなしと音声コーデックの選択と、SPEのBDソフト製作路線は完全に定まったようです。
B級映画だろうと何だろうと基本的に手抜きもハズレも無いのは驚異的。

画質について。
やはり、“意図的に最暗部を持ち上げている”。
真っ黒な部分が無い。
通常版も完全版も最暗部の扱いは同じ。
エンコード時における手抜き失敗等はSPCLの実力を考えるにもはや有り得ず。
こういう画作り、監督の意図だということでこの件は決着。
1層MPEG-2収録から2層AVC収録になった恩恵はそこらじゅうに出てきます。文字通り目に見えて現れます。全体的に情報量が増し、色の純度も増してます。っつっても色に関しては元から濁った画作りなんで微妙な差のような気もしますけどね。
通常版からの明らかな進化は暗部の情報量。通常版では最暗部を持ち上げると同時に暗部情報まで道連れに死んでいましたが、完全版では暗部の情報もきちんと見えるようになっています。正直言って真っ黒を出さない画作りはどーかと思いますけど、まあ見えるべきものがきちんと見えるならそれはそれでよしとしましょう。
なお、元々のマスターがそんなに良くないんでしょうね、見違えるようなとか生まれ変わるようなとか、それほどの差は無いっちゃ無いです。

音質について。
実はこのソフト、非常に重大な意味があるんですよ。
300とかオペラ座の怪人とかを観た人なら既にお分かりかと思いますが、得てしてリニアPCMとドルビーTRUEHDが同時に収録されている場合、音質は圧倒的にリニアPCMが上でした。
再リリースで『リニアPCM→ドルビーTRUEHD』と収録方式が変化した史上初のBDソフトじゃないですかね?
で、従来は他方式を圧倒していたリニアPCMの音質にドルビーTRUEHDはどこまで迫れるのか? という点。これはとーっても大事なことです。
結果として、ドルビーTRUEHDはリニアPCMと比べて全く遜色の無い音を鳴らしました。文句無しッ! もっと気張って死ぬ気で比較視聴すれば微妙な違いはあるんでしょうけど、そんなことは端からする気無いです。
むしろ、ダイナミックレンジに至ってはさらに拡大しているような。
嗚呼、それにしても嬉しいですね。
昔はリニアPCMの後塵を拝するだけだったドルビーTRUEHDが、ついに同一のソースにおいてもリニアPCMと同等のポテンシャルを叩き出し、U-571のように天井突破の音質も実現している。
いい時代になったもんです。



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