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※この記事はFAN AKITAプロジェクトページ「活動報告」への投稿と同内容です
菅江真澄と歩く
二百年後の勝地臨毫 出羽国雄勝郡
第六章
「恵み色濃き深碧の淵」
真澄が残した『駒形日記』には秋田県東成瀬村を経て栗駒山に到る行程が記され、『勝地臨毫 出羽国雄勝郡』七巻前半の絵と対応しています。
真澄の素直な感情が記された日記が残るおかげで、第六章は第三章「彼岸の真白なる静寂」と同様に、実に物語性に富むものとなっています。
まずは湯沢市皆瀬、皆瀬ダムからの眺めで第六章は始まります。
皆瀬から東成瀬村に抜ける山道/林道があり、絵の並びから見て、真澄もその道を通ったものと思われます。
『駒形日記』は特に真澄の短歌が多く詠まれている印象を受けます。
水寒き 朝川渡り あさつゆを 袖にはらひて 分るおくやま
道中真澄は東成瀬の「赤滝」を訪れるのですが、ここでもうひとりのゲストに御登場願いました。
湯沢市岩崎に伝わる物語の主人公、能恵姫です。
岩崎城主の娘に生まれ、数奇な運命によって水神となった能恵姫は、紆余曲折を経て東成瀬の赤滝を住まいとしました。
真澄と能恵姫、ふたつの物語が赤滝でひとつになります。
かくして真澄と能恵姫が辿り着いた赤滝を訪れると、紅葉の真っ盛りで実に美しい姿を見せてくれました。
いくちしほ 染る紅葉の 影おちて いといといろこき 赤瀧の水
真澄の足跡と能恵姫の軌跡が赤滝で交錯した時、重なり合った歴史と科学と神秘の向こうに、多くのものが見えてきます。
是非、完成した本の中でお確かめください。
【菅江真澄紀行文・本編紹介】第六章「恵み色濃き深碧の淵」
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