*

【BDレビュー】 第160回『アバター』

公開日: : 最終更新日:2013/12/15 BD・ホームシアター関連, オーディオ・ビジュアル全般

画質:15☆ Magnificent 音質:9


映像はAVC、音声はDTS-HDMAの24bit

画質について。
アバターを見ている最中は、「ああ綺麗だな」で終わる。
アバターを見た後、トランスフォーマーリベンジとか慰めの報酬を見ると「やっぱり綺麗だな」と思う。
その後で改めてアバターを見ると、
「!?」
となる。
何かが決定的に違う。
この作品の画質は本質的に従来の実写作品とは決定的に異質である。
もはやアバターを実写映画と呼ぶことは不可能だろうし、アバターという作品自体がそう呼ばれることを放棄しているようにも思う。そして現実世界の切り取りと再構築をやめたことによって、画質面でも新たな領域へと足を踏み入れた。
実写作品として現実世界に依拠する必要はもはや無く、想像力と創造性の赴くままいくらでも“美しいもの”を生み出せる。この手の映像が表現として実写作品を越えるかどうかはさておき、少なくとも画質においては完全に凌駕していると言わざるを得ない。WALL.Eのような漫画的表現の作品ではなく、あくまで等身大(巨人ではあるけれども)の人型生命体の目線で作られた映像だけになおさら、真に迫る。
通常3DのCGIを実写に入れ込む際には実写部分との整合性を図るために何かしらの処理をしているはずだが、アバターではそんなプロセスが存在しないがために、超高解像度で作った超ハイポリゴンの3Dモデルが超高精細な背景の中を自由自在に動き回るという、ある意味CGI本来の魅力をストレートに表現できているとも言えよう。
WALL.Eの画質を「さわれそう」と表現するなら、アバターのそれは「そこにいる」とでも言うべきか。アバター症候群なんてものが生じても仕方が無いのかもしれない。
現実世界を超えるリアリティーの表出、未知の実体感。
この作品の画質を語る上で、私の語彙はあまりにも足りない。
神々の間に人知れず歩み入り、静かにその玉座へ。
ところで、何故かテレビに映すよりもプロジェクターで映す方が精細感の点でも良かった。普通は逆なのに。

音質について。
新たな天地開闢とも言うべき画質に比べれば、音質はそれほどでもない。
超大作にふさわしい練りこまれた音響ではあるものの、映像のテンションには到底追いついていない。起こっている事象に対して全体的に音が軽くて鈍くて威力が無い。はっちゃけ方が足りない。お行儀が良すぎる。
音響設計としては近作の水準値を軽く上回る出来ではあるものの、音そのものに魅力がそれほど感じられないのは残念すぎる。
まあ、更に更に大音量でもって迫力が出るようなデザインの気もするし、うちの機材がしょぼいだけの可能性もある。
ちなみにアバターの音響を作ったスタジオではディナウディオのモニタースピーカーを使っている模様。

画質評価で15↑を付けようにも、音質でも15↑を付けられるようなソフトが無いと評価のバランスが悪いということで自粛していたが、晴れてプライベート・ライアンという王者が帰還したことにより音質でも15↑が進呈され、アバターの視聴記を書くことが出来た次第。



BDレビュー総まとめ

スポンサーリンク


関連記事

no image

【BDレビュー】 第193回『ロビン・フッド』

最後のアレがやりたかっただけだろ! ライアン病患者乙!! 画質:9 音質:9

記事を読む

【BDレビュー】第312回『鑑定士と顔のない依頼人』

画質:15 音質:15 (評価の詳細についてはこの記事を参照) 映像:AVC 音声:ドル

記事を読む

【ネットワークオーディオTips】MinimServer 導入・設定・運用編

サーバーソフトの紹介 『MinimServer』 ・使用したサーバー機器 PC(Wind

記事を読む

【ネットワークオーディオTips・実践編】 PCをサーバーとして使う/foobar2000 UPnP Server

 いまさらfoobar2000のDLの仕方から設定から何から書く必要はあるのか?  ……と思うとこ

記事を読む

【ハイレゾ音源備忘録】Bloodborne The Old Hunters

・アーティスト / アルバムタイトル Various Artists / Bloodb

記事を読む

【ネットワークオーディオTips】コントロールアプリの紹介 『Lightning DS』

 いつまで経ってもアプリの検証が進まず、気が付いたら2015年になってしまった。  このままでは永

記事を読む

続・WAVとFLACで音は変わるか?

 前回の記事に寄せられたコメントから、以下の三つの問いを得た。 ①WAVから取り込んでFL

記事を読む

no image

【BDレビュー】 第224回『獣兵衛忍風帖』

BD化されていたという事実を三か月も見過ごしていたとは……不覚! 画質:9 音質:6

記事を読む

no image

【BDレビュー】 第29回『劇場版 カウボーイ・ビバップ 天国の扉』

画質:8 音質:10 映像はAVCでビットレートは30台で安定。 音声はドルビーTRUE

記事を読む

【音源管理の精髄】 普遍的なライブラリを目指して 【ネットワークオーディオTips】

 『普遍的なライブラリ』とは、 ・大元となる音源(CDやダウンロードしたファイル)からの情

記事を読む

スポンサーリンク

Message

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

スポンサーリンク

【Munich HIGH END 2017】SFORZATO / fidata in Munich

 Munich HIGH END 2017で気になった製品やら何やら。

【Munich HIGH END 2017】Cocktail Audio CA-X50 【Roon Ready】

  Munich HIGH END 2017で気になった製品やら何やら

【Munich HIGH END 2017】constellation audio LEO 【Roon Ready】

 Munich HIGH END 2017で気になった製品やら何やら。

【レビュー】SOULNOTE D-1 音質編

外観・運用編 ・再生環境(詳細) canarino

【Munich HIGH END 2017】Roon Labs自身による“Nucleus” Roon Server

 Munich HIGH END 2017で気になった製品やら何やら。

【Munich HIGH END 2017】Playback Designs Dream DAC MPD-8 / Transport MPT-8 【Roon?】

 Munich HIGH END 2017で気になった製品やら何やら。

【Munich HIGH END 2017】DELAの進化は続く

 Munich HIGH END 2017で気になった製品やら何やら。

【Munich HIGH END 2017】Mark Levinson No519 【Roon Ready】

 Munich HIGH END 2017で気になった製品やら何やら。

【Munich HIGH END 2017】dCS Vivaldi One 【Roon Ready】

 Munich HIGH END 2017で気になった製品やら何やら。

【Munich HIGH END 2017】Ayre QX-8 / AX-8 【Roon Ready】

 Munich HIGH END 2017で気になった製品やら何やら。

【Munich HIGH END 2017】MSB Technology The Reference DAC 【Roon Ready】

 Munich HIGH END 2017で気になった製品やら何やら。

【Munich HIGH END 2017】AURALiC G Series 【Roon Ready】

 Munich HIGH END 2017で気になった製品やら何やら。

言の葉の穴・四周年

 三周年記事で地元ネタ全面解禁宣言をしてから1年。  主に私のや

【Munich HIGH END 2017】Dynaudio Special Forty

Dynaudio Special Forty https://y

【レビュー】SOULNOTE D-1 外観・運用編

 SOULNOTEのDACには、対応フォーマットのスペックを偏重する流

LUMIN U1がDSD256に対応

LUMINのネットワークトランスポート「U1」、11.2MHz DSD

【菅江真澄紀行文】『菅江真澄と歩く 二百年後の勝地臨毫 出羽国雄勝郡』が完成しました

小町ゆかりの地「真澄と歩く」出版プロジェクト - FAN AKITA

【御礼】ヘッドホン祭&北陸オーディオショウ(デジ研)・OTOTEN 2017が終了しました

春のヘッドホン祭2017 / 第2回北陸オーディオショウの「デジ研」に

【おしらせ】OTOTEN 2017に参加します

 久々だと思っていたら三週続けてのイベント参加です。 O

【おしらせ】春のヘッドホン祭2017 / 第2回北陸オーディオショウの「デジ研」に参加します

 久々のイベント参加になります。 春のヘッドホン祭201

→もっと見る

PAGE TOP ↑