画質:12 音質:(8)
映像はVC-1でビットレートは極めて低め。そもそも20Mbps台にすらあまり乗らん。
音声はDTS-HDMAの24bit。
画質について。
まず指摘しなければならないのが、コレほんとにBD仕様か? と疑いたくなるほどに、極めてビットレートが低いこと。激しくカメラワークが動く場面ですら20台に乗らないのはザラ。が、25Mbps~になることも非常に稀ながら“ないことはない”ので、まあBD仕様なのだろう。もっともっとビットレートつぎ込めよ、と思うが。いくら長い映画っつったって、映像のビットレートの平均はキングダムオブヘブンの精々半分くらいじゃないの? 容量余ってんだろこれ。
で、実際の画質面は低ビットレートであることを全く感じさせない。素晴らしい精細感に情報量、暗い場面でも甘くなることはなく、CGまみれゆえの解像感が終始冴え渡る。低ビットレートの弊害は恐らく暗部の情報量に出ているのではないか、急に情報量が欠落する傾向がある。しかし、それがかえって画面のコントラストを高め、映像の鋭利さを高めているとも言える。低ビットレートながら素晴らしい精細感に濃厚な色彩という点で、画質の傾向としては『アイランド』と近いものがある。もっと善く出来ただろ、という点においても。
ちなみにCGと実写のコンポジットがあまりにも下手糞で泣けてくる。いっそ実写排除して完全フルCGでもよかったんじゃないのこれ。
音質について。
サブウーファーが無いと無理かもしれない。
ハルクで感じたのと同様、音に硬さが無い。キングコングの場合、重さも無い。特に雷竜大進撃の場面など、なんとも上滑りした感のある空気が流れていくだけで、正直音が完全に映像に負けている。音響効果賞でオスカーを取った映画でいくらなんでもこれはあるまいというわけで、やはり原因として考えられるのはサブウーファーの不在。
作中の効果音の大半がサブウーファーを咆哮させることを前提にして作られているなら、現状の環境では文字通り上滑りした評価しか出来ない。本来なら「サブウーファーが無きゃ破綻する/まるで迫力が無くなるような音響製作するんじゃねー!」と言いたいところだが、作品が作品だけに仕方あるまい。
そんなわけで評価は保留。マルチチャンネル/サウンドデザイン自体は非常に練られていることが分かるので、とりあえず8としておく。
BDレビュー総まとめ
【BDレビュー】 第122回『キング・コング』
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