画質:9 音質:8


映像はVC-1、ビットレートは20台中心で推移。30台にも乗る。
音声はリニアPCMの16bit。

画質について。
古臭い画作り。勿論それを狙ったんだろうけど。
レイダースとかトレマーズとか、さらにもっと昔の映画の雰囲気を、そのまんま現在的な機器の高画質でもって再現したって感じ。ブレードランナーとは逆のパターン。
そんなわけで、蜘蛛男3やアイロボットのように真正面から高画質を目指したソフトとはちょいと土俵が違うのです。ワーナーの手抜きソフトのような足枷はついていませんが、そういう真っ向勝負の土俵でVC-1の可能性を突き詰めるようには作られていません。
とはいえ、手持ちのVC-1採用ソフトの中でも圧倒的に高画質なソフトであることには変わりありません。コーデック関係なく、最高レベルの精細感を多くの場面で見せ付けますし、全編通じて“意図的に作られた古臭い画作り”は統一されています。
問題は全体を通して高画質を維持できているわけではないという部分で、特に暗い場面になるとその傾向が顕著になります。100歩譲って“古臭い映画の雰囲気を出すために黒レベルは沈みきらないし、暗部にざわざわノイズがあってもいいだろう”と解釈したとしても、明るい場面との画質差が大きすぎるのはどうかと。
ここまでくると、暗部が落ちずにノイズまみれになるってのはVC-1に固有の問題なんでしょうかね。300以外の多くのソフトがこの問題を抱えてるんですが。

音質について。
基本的に静かな映画です。
効果音の音数もさして多くありませんし、BGMもどちらかといえば静かに不安を煽るような曲が多め。
やっぱりこの映画の音の魅力は役者の台詞に凝縮されているように思います。その点、声には必要十分なエネルギーが込められており、聞き辛いというようなこともありません。鬼気迫る演技を堪能するに足ります。センタースピーカー換えたい。



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