画質:15 音質:10


映像はAVC、ビットレートは30Mbps前後で推移。
音声はリニアPCMの24bit。

画質について。
パーフェクト。
ケチのつけどころがまったく存在しない。
フルCG作品ゆえの極限の解像感と夢のように目映い色彩。
驚くほど緻密に描かれる各オブジェクトのディティールもくっきりはっきり浮かび上がり、ノイズもマッハバンドも皆無。とにもかくにも官能的な美しさが先行し、ノイズの類を気にする気にすらならないので、ひょっとしたらあるのかも。とはいえ画質評価11点以上については官能領域での評価と勝手に位置づけているので問題なし。
さて、個人的には、映像における最大の見どころは妖精が飛んだ時に出る燐粉や妖精の粉など、輝く粒子にあるように思う。ドット数個分という極小領域にありながら一粒一粒が埋もれることなく輝きを放ち渦を巻いて流れ、眼に光の軌跡を描く。BDあっぱれ、これこそ私がよく使うところの“DVDに対してオーバースペックな映像”だ。
同じフルCG作品としてクローン戦争があるが、その二歩も三歩も先を行く映像の品位。この手の映像作品のソフトとしてある種の完成形と見てよいと思う。
この作品に関して言えば、「ディレクターモードで何も作為を加えずに見るべき」などという高尚(笑)な見方をするべきではない。表示機器が破綻を起こさない目一杯まで鮮やかにして見るべきである。
なぜなら、これは現実世界ではない。妖精郷である。

音質について。
残念ながら? 妖精郷に鉄砲は無いし、爆弾は無いし、高速で移動する大質量の物体も無いし、剣劇も無ければ化け物との死闘もない。もちろん血も出ない。
妖精たちの日常を彩るのはあくまで明るく、陽気で、まぬけな効果音とアイリッシュ? ケルティック?な楽曲の数々。
サラウンド・マルチチャンネルの効果もきちんと活かせているし。効果音一つ一つもしっかりと存在を主張している。もちろんどんぱち映画に見られるような派手さはないものの、非常に丁寧にサウンドデザインがなされたことを感じられる。歌が入る際もフロント2chだけを使って流すような陳腐なものではなく、きちんとマルチチャンネルを駆使したミックスがなされている。センター(声)が少々強すぎるのはうちの設定の問題か。
画質同様、音響もまたひとつの穏やかな完成形を見せる。残念ながら私はどんぱち音響のほうが好きなんで11点以上はつかないけどな!



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