次世代BD「Ultra HD Blu-ray」年内に複数社から製品登場へ - ライセンシングまもなく開始 – Phile-web
BDAのチェアマンであるVictor Matsuda氏は、今回のライセンス開始をふまえ、「2015年のホリデーシーズンに向け、複数の会社から製品のアナウンスが期待できる」と述べている。
以前の情報だと、今年の末の段階ではパナソニックからしかプレーヤーが出ないなんて言われ、人知れず心配していたのだが、その辺はどうにかなったようだ。もっとも、BDの時も黎明期で「それなりに安くてまともに動くBDP」は実質PS3しかなかったことを考えれば、むしろ素晴らしい状況と言えるのかもしれない。無闇に高いプレーヤーばかりじゃ困るけれども。
しかし、DVDはBDへ主役の座が移り変わる際、時代の終わりを華々しく飾る数々の高級プレーヤーが出ていたのに対し、BDときたら。業界、特にホームシアターというジャンルの現状を目の当たりにしているようでなんとも悲しい気分になる。
UHD BDになって、どれだけの映像作品がその恩恵を受けられるのだろうか。
DVDからBDに移り変わる際も、まったく同じことを考えていた。
オリジナルマスターがアナログ、フィルムなら、それをスキャンすれば少なくとも解像度だけならHDでも4Kでも作り出せるだろう。無論、解像度だけHDになったところでそれが高画質か否かはまるで別問題だが。さすがに「素材なくしました」とか「マスター捨てちゃいました」とか、そんなこともないだろうし。ダークナイトのIMAXシークエンスなんかを見れば、フィルムだってBDには収まり切れない情報量を持っていることがわかる。
一方、オリジナルマスターがデジタルだったら。ここ最近のハリウッド映画は4K以上での制作が当たり前のようなので心配する必要はないだろうが、一昔前の、HDでマスターを作っている映画はどうするつもりなんだろうか。アプコンして4Kだっつって売るつもりだろうか。SDマスターをアプコンしてHDだっつってBDを売った日本のアニメのように。
あるいは、解像度はさておいてHDRを目玉にして売るのだろうか。「解像度よりもHDRの方が画質向上に大きな効果がある」なんて話も散見するが、はたして。それとも色域の拡大を押すのか。あるいはより高いビットレート、という売り文句も考えられるといえば考えられるが……
ところでディズニーの3DCG作品はどうなるのだろうか。キラーソフト的な意味で。
オーディオビジュアルを趣味にしている一人として、UHD BDの登場は心の底から歓迎したい。
ソフトがハードに先行したBDの時とは状況が違う。4Kテレビは既に10万を切り、4Kプロジェクターもある。映画製作はとっくに4K化。そしてUHD BDが遅れに遅れてやっと登場した格好だ。まさに待ちに待った映像メディアの刷新である。
それと同時に、「BDからUHD BDになることで恩恵を受けられる作品」は、「DVDからBDになることで恩恵を受けられる作品」よりも大幅に減る気がしてならない。
そんな後ろ向きな気分を吹き飛ばすためにも、UHD BDのローンチに際しては、とにかく出し惜しみせずにありったけのソフトを即時投入してもらいたい。リアルスティールでもアベンジャーズでも、とにかくありったけ面白くてありったけ高画質なソフトを最初の段階で投入して、「UHD BDすげえ!!!」という評価を確立してほしい。BDはその点いまいちうまくいかなかった。悲しいことに未だに「DVDで十分」と言われてしまう状況でUHD BDなんてものを出す以上、気合を見せてほしい。
でないと、映像パッケージメディアと一緒に「高画質・高音質」という文化もストリーミングに食い潰されちまうぞ。もっとも、いつかは技術の進歩とインフラの整備によってストリーミングのクオリティがUHD BDを越える日が来るだろうけど。
それにしても、4Kテレビはべらぼうに安くなったがプロジェクターは相変わらず高い。
今さらテレビに戻るというのも……うーむ……
あと、UHD BDのソフトもプレーヤーもそれなりに常識的な価格で出てくれると……その……助かる……