思い出深い初Dynaudio、Audience122。
 東日本大震災でぶっ倒れてもなお、力強く鳴り続けている。
 私にオーディオの面白さをこれでもかと認識させてくれたスピーカーであり、私にオーディオの恐ろしさをこれでもかと叩き込んでくれたスピーカーであり、私にDynaudioと一蓮托生させる心を決めさせたスピーカーである。

 店頭試聴で並み居る競合相手を蹴散らしたことで導入を決め、自宅に迎え入れて最初に音を聴いた時、あらためて「冷たい音を出すスピーカーだな」、と思った。
 こう言うと失望した、という意味で捉えられるかもしれないが、決してそうではない。私はむさくるしい音よりひんやりした音の方が好きだ。なんせ雪国育ちだし。その意味で、まずは選んで、買って正解だった。

 とりあえず買った状態で出てきた音に満足してしまったわけだが、それから機材を替えるたびに、まるで限界を感じさせずAudience122は追従してきた。どこまでもいい音で鳴るようになった。そして生まれた「もっといい音で鳴るはず」という呪いは、Nmode X-PW10の導入まで続いた。そこでやっと、一線を越えて「鮮やかに」鳴るようになった。「冷たい、翳りのある音」で鳴るのがDynaudioだと思っていたら、「陽を浴びた雪が七色に輝くように」色鮮やかになり始めたのである。感動もしたが、確信もした。
 「Dynaudioは……本当の意味ではなかなか鳴らない……!」
 でも本当に鳴ると凄いのよ。本当に。


現在のAudience122
Sapphireと背の高さを合わせるため、高さ36センチの手作りスタンドとトラバーチンを組み合わせて設置している
地震が来たら? ……考えてはいけない
Audience122 1_s

スパイク受けはマグネシウム製
メイン時代からずっと使っている
Audience122 足元_s


 Sapphireの導入に伴い、現在はサラウンドスピーカーとして活躍している。
 ただ、Focus200C同様、そんじょそこらのAVアンプで鳴るスピーカーだとはとても思えず、本来のポテンシャルは発揮していないはず。

 サラウンド再生においてどれほどの音を聴かせてくれるのか、メインから降りてなお楽しみである。



【システムまとめ】