画質:9 音質:11
映像はAVCでビットレートは30Mbps前後で推移。
音声はDTS-HDMAの24bit、6.1ch。
画質について。
深いフィルムの喜びに満ち溢れた画。
86年の作品としては望外の高画質で、撮影時のノイズ等も僅か。解像感、情報量も申し分ないレベルで、色彩も実に力強く、濃厚で美しい。場面によっては、下手をすれば最近の映画とも同じ土俵で渡り合えるだけの高画質を実現している。
何より素晴らしいのは、空中戦を筆頭に“空”である。これほどまでに「紺碧の空」という表現が似合うのもそうはあるまい。紺碧から黄金に至るまで、めまぐるしくその表情を変える空の美しさがこれでもかと言わんばかりに映し出されるのは壮観の一言。また、空の映し鏡ともいえる海の描写にも素晴らしいものがあるほか、全体的にロングショットでの画質に卓越したものがある。
私の知る限り、80年代の作品のBDとしては今のところ断トツの高画質と言ってもいい。ブレードランナーの特撮部分といった例外はあるにはあるが。
音質について。
こちらも画質同様、力強く濃厚、また豪快。
近作の音響に比べて明らかに音数は少なく、したがって情報量も少なく、理詰めでもって空間を構築するようなものではない。しかし、「こまけぇこたぁいいんだよ!」と言わんばかりに、全編に渡って戦闘機のアフターバーナーが全チャンネルを使って豪壮に響き渡る。単純さと豪快さが生む分厚い包囲感と一体感はプレデター2に通じるもので、同じ戦闘機映画であるステルスにも音響の楽しさという点で全くひけをとらない。
ところどころ歌も流れるが、こちらもきちんとサラウンドを活用したミックスがなされており、映画音響としての手抜きは一切無し。素晴らしい。
BDレビュー総まとめ
【BDレビュー】 第120回『トップガン』
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