コラ、秋田の女ご何どしてきれ(い)だと聞くだけ野暮だんす(アーソレソレ)
小野小町の生まれ在所お前(め)はん知らねのげ
wikipedia「秋田音頭」 より
歴史を学んできた身として、せっかく帰ってきた地元の歴史をアレコレしようとする者として、絶対に避けて通れない存在がいる。
小野小町である。
秋田県湯沢市雄勝町は、「小野小町の生誕と終焉の地」として有名である。
秋田新幹線「こまち」。
秋田の誇る米「あきたこまち」。
なぜか読売の「大手小町」。
いたるところに溢れる「小町」、その大元こそ「小野小町」である。
「秋田美人」というイメージ、その原型こそ「小野小町」である。
世界三大美人の一人だったり六歌仙の一人だったり犬に食わせたりあなめあなめだったり、小野小町と言えば何かと話題には事欠かない。
私の地元に、こんなにも歴史的にメジャーな人物がいるなんて!
しかし、小野小町について確かなものといえば古今和歌集に選出された歌と紀貫之による評伝くらいなもので、数多の伝説と創作文学によって厚く塗り込められた結果、伝承地だけでも軽く百を越す有様だという。どこで生まれ、どのように育ち、過ごし、老い、死んでいったのか、小野小町の実像は茫として掴み難い。
とはいえ、私は基本的に「火のない所に煙は立たぬ」という姿勢である。小野小町に関する伝承が残るからには、その伝承の元になった「何か」があったのだと考えている。
実際に雄勝町では、道を歩けば小町に出会う。
立派なパンフレットも用意されている。
もちろん、そもそもの文献史料が乏しい(というよりほとんど存在しない)以上、雄勝町こそが小野小町の生誕の地であり他の伝承地はみんな嘘っぱち、などと言うつもりは毛頭ない。
それでも、雄勝町における小野小町に関する伝承と史跡は、質・量ともに群を抜いていることもまた事実である。
パンフレットにはそんな小町史跡の地図も用意されている。
(拡大して見てね)
パンフレットの裏面を拡大して、これが雄勝町に伝わる小野小町の軌跡。
色々とツッコミどころはあるが、とりあえずこまけえことはいいんだよ。
この【地元探訪】では、文献学的歴史研究だのなんだのかんだの、そういった小難しい話は抜きにして、ただただ、地元で綿々と大切にされてきた小野小町の諸相を、地元民の視線で紹介していきたい。
雄勝町の小町伝承を織り交ぜながら、まずはパンフレットにもある史跡巡りから始めようと思う。
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