画質:10 音質:13


映像はAVC、音声はDTS-HDMAの24bit

画質について。
恐ろしく濃厚。
厚く塗り込められた色彩とおどろどろしい闇の中に、フィルム撮影最末期の豊かなディティールが満ちている。粒状感も積極的に付与されているが、ノイジーや薄汚さには決して転ばないところに優れた画作りの妙味を見ることができる。
画調補正やら映像そのものやら、非常にデジタルの恩恵を受けた作品であることは間違いないにせよ、そもそも監督が意図した映像や画作り――フィルムというものが理想的な形でソフト化されたということは想像に難くない。映像美、もとい綺麗という要素とは無縁である以上評点15は付けられないが、間違いなくコレはソフト化における画質としては完璧である。

音質について。
心揺らす素晴らしい音である。
音響には大きく分けて音楽を用いたものと効果音を用いたもの(つまるところドンパチ)の二つがあるように思うが、この作品はそのどちらも非常にハイレベル。基本的には心理描写にも転じる音楽や細やかな効果音で魅せる緻密に構築された音響なのだが、時として音楽自体もマルチチャンネルを全開駆動するミックスで爆裂し、サウンドエフェクトもまた要所要所で凄まじいダイナミックレンジの広さを叩きつけてくる。
音楽の高揚感、ダイアローグの明瞭さと深み、効果音の鋭さと生々しさなど、音それ自体の存在感を実に巧みなサウンドデザインがさらに奥ゆかしく演出している。
映画音響の醍醐味を存分に堪能できる素晴らしい音である。
ちなみに一番の聴き所はぶらぴの奇声。ほわちゃーっ!!



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