ジェット・リー×ヤクゥザ×NINJA×ケイン・コスギ=大威力!


そうそう、馬鹿映画はこうじゃなくっちゃ。ねぇ。

でも……


画質:9 音質:10


映像はAVCでビットレート30台を中心に推移。
音声は二言語をドルビーTRUEHD収録。
基本的な仕様はダニー・ザ・ドッグとほとんどおんなじ。

画質について。
馬鹿映画なのに大作映画を見てるみたい! ふしぎ!!
そのくらい、完璧に調律された画です。
目の覚めるような超高画質、と言うには一歩及びませんが、画作りの一貫性という点ではなかなかお目にかかれないレベルにあります。
でもコレ、実はMI:3が目指そうと思ったけどまるで駄目だった、そんな画作りの成功例なんですよね。
コントラストはギラッと高く。
色はゴリッと重く。
映画館で見ると単純に薄汚くなっちまうような色使いですが、BDではそんな画作りのイデアを拝むことができます。

音質について。
Ugh!!
ファッキンジャパニーズヤクゥザユーバスタードサノバビッチマザーファッカー!!!
全編通してニホンゴモドキが途切れません。
たぶん一番まともな日本語を喋ってるのはケイン・コスギです。
っつーかアフロサムライの日本語のほうがマシなんじゃね?
ニホンゴモドキはさておき、最近のBDにおける音質向上の傾向として、U-571に代表される“ダイナミックレンジの拡大”ってのがあるわけですが、この作品もまた見事にその傾向に乗っています。
DVD全般の問題として、あたしは絶対的なダイナミックレンジの不足ってのを常々感じてきました。プライベート・ライアンにしろブラックホーク・ダウンにしろ、銃声が他の有象無象の音に対してさしたる威力上の優位性を持ってなかったように思うんです。そりゃあ音の大小は当然ありますけど、絶対的なものではない。まあBDにも未だにこの次元に留まってるソフトもありますけどね。
その点、BDは違うんです。
この映画も凄いんです。
別に大層な銃が出てくるわけじゃありません。所詮ヤクゥザやポリ公が使うような銃です。
でも、違うんですよ。銃声にきちんとビビるんです。
ビクゥッ!
いつもの音量ポジションで見てたら隣の部屋から「うるせー!!」って言われるくらい、銃声とその他の音との絶対的な違いがあるんです。ひとえにダイナミックレンジの拡大が為せる業でしょう。
ついでに言っておきますけど、“ダイナミックレンジ”の拡大と言っても決して音圧威力方向だけではなくて、きちんと“静寂”の表現力も格段に増してます。そのくせ中身もムギュッと詰まっているので、大げさですけど雑巾から絹に変わったかのような変化があるんです。
BDとロスレス音声がもたらす音質向上は決してお上品な映画や音楽部分にのみ貢献するもんじゃあ決してありませんぜ。
より下品にッ! より凄惨にッ! より酷薄にッ!


ところでこの映画の主人公って誰だっけ?





おまけ

デイズニー、フォーマット戦争終結で「全力でBlu-rayに取り組む」
-「眠れる森の美女」をBD化。宮崎駿が愛するアニメも

ディズニー、散々BD応援宣言をしてるくせしてそんなにソフト出さんよな。
まあどのアニメ作品もそうそう簡単に出せない超級プレミアムな作品だってのは分かるけどさ。
早くファンタジアとかをBDで拝みたいなあ。
インデペンデンス・デイの回でも書いたけれど、BDは記憶の中で昇華された感動の原体験を鮮やかに蘇らせてなお余りあるポテンシャルを持ってるんです。
今なら、あの麻倉センセの提示したグラフの意味が分かります。



BDレビュー総まとめ