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【BDレビュー】 第129回『007 慰めの報酬』

公開日: : 最終更新日:2013/12/15 BD・ホームシアター関連, オーディオ・ビジュアル全般

画質:15 音質:14


映像はAVC、音声はDTS-HDMAの24bit。

画質について。
予感があった!
コロンビア女神の美しさは、かつて蜘蛛男3で目の当たりにしたまさにそれだった!
その時点で、とてつもない高画質であるとの予感があったのだ!
そして実際、慰めの報酬の画質は完璧だった。
ひょっとしたら、トランスフォーマーや蜘蛛男3のように分かりやすい高画質であるとは見なされないかもしれない。色彩はそれほど派手ではなく、単純な原色の表出という点では決して鮮やかではない。見目麗しい、鮮烈な高画質ではないのだ。
しかし、“完璧な”画質である。
作品の内容を反映してか、前作以上に粒状感をたっぷり乗せた荒々しく無骨な画作り。冴え渡る輪郭線と膨大な情報量。そして何より素晴らしいのが、“ノイジー”と“グレイニー”の境界線上を綱渡りしながらも決してノイジーには転ばなかった、類稀な映像バランス、強靭極まりない画作りの統一感である。『シューテムアップ』、『バイオハザード3』、『トランスフォーマー』など、過去粒状感を前面に押し出すことによって素晴らしい精細感を実現していたソフトはあったが、そのどれもが僅かながらも粒状感のいきすぎ、場面によっては単なるノイジーへの転落という問題を有していた。
慰めの報酬には、それが無い。
光のあたる部分、明度の高い領域では粒状感をたっぷり乗せたゴリゴリの画作りをしつつ、暗部、闇についてはどこまでもSN比が高く、美しい暗がりをのぞかせる。最後の最後まで粒状感過多に転ばず、闇はひたすら美しかった。ロケ地によって画調もころころと変わっていくが、そのどれもが完璧な調律によってまとめあげられ、空気感と呼ぶべきものもはっきりと見て取れる。
色彩はそれほど派手ではないと言ったが、ひとつだけ例外もある。
炎である。
クライマックスの炎、私はあれほどまでに美しく透明な炎を見たことは無かった。
極めて難しい領域でぶれることなく仕上げられた強靭な画作りと、無造作に散りばめられた感性に訴えかける画の数々。
満点である!

音質について。
カジノロワイアルに唯一欠けていた、はっちゃけた音響効果の楽しさがここにはある。冒頭からトばしまくりである。前作同様精緻に組み上げられた音響に派手さと荒々しさが加わり、より強烈に感情を揺さぶるようになった。
おいかけっこ、殴り合い、銃撃戦、爆発炎上、果ては空中戦に至るまで、実に楽しい音を心行くまで堪能できる。
精緻にして豪放な効果音、力強く壮麗に鳴り響く音楽、そして何より、声の質感も素晴らしい。
唯一の不満点は、OPの出来が明らかにカジノロワイアルに劣ること。音響的にも、センス的にも。こればっかりはしょうがないか。

なんにせよ、前作に当たるカジノロワイアルはこの視聴記において初めて画質音質ともに10点満点を記録したソフトであり、今日に至るまで長らく一つの基準になってきた偉大なるBDである。
続編に当たる慰めの報酬は画質音質的に偉大な前作を見事に上回り、実写映画としては過去最高の評価点を付けるに至った。
カジノロワイアルから慰めの報酬への画質音質の進化は、BD全体の画質音質の進化を端的に示すものだとも言えるだろう。
今後とも、BDの行く末に幸あらんことを!



BDレビュー総まとめ

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