※この記事の内容・データ等は2012年3月21日時点のものです
 
 



 
手始めに、現状で有力な選択肢になるであろうコントロールアプリを7つ、簡単に紹介する。個別詳細は後日。
ChorusDSを除き、紹介するアプリはUPnP/DLNA対応の汎用アプリである。
基本的に検証はDSで行っているが、汎用アプリは他のネットワークプレーヤーでも勿論使える。
ちなみに紹介するアプリはすべてiPad対応であり、画像もiPad版のもの。
なお、述べる感想・印象は下記環境下でのものであり、使用する機器によっては動作速度等で違いが出てくることは大いに考えられるので注意されたし。
なお、「音源のフォーマット、スペックの表示機能あり」と書いていても、基本的に「DSを使っているときのみ」と考えてよさそうである。
 
  
 
●検証環境
無線LANルーター:Buffalo WZR-HP-G450H
NAS:QNAP TS-119 firmware version 3.6.0 Build 0210T
サーバーソフト:TwonkyServer version 6.0.38
レンダラー:MAJIK DS-I、foobar2000 Renderer
コントローラー:iPad2
 
 
 
【ChorusDS】 有償・iPhone版:1500円 iPad版:3600円
基本インターフェース
s_App再生画面 001

アルバムアート拡大
s_App再生画面 006

“DS専用アプリ”にして、私の知る限り現状最強のコントロールアプリ。デザインもインターフェースも動作速度も安定性も情報の一覧性も全て高度に洗練されており、欠点らしい欠点が無い。特に安定性の面でずば抜けており、LINN純正のKinskyをも凌ぐ。あくまでDS専用に徹するが故の安定性と言えよう。
DSユーザーには文句なしにお勧めできるアプリであり、むしろ、“ネットワークオーディオにおいてこのアプリが使えるがためにDSを選ぶ”という選択肢があってもいいくらいの完成度である。
ちなみにLINNの本国スタッフも、iOS版Kinskyがリリースされるまではこのアプリをデモに使っていた。
音源のフォーマット、スペックの表示機能あり。
 
 
 
【SongBook Lite】 有償・iPhone/iPad共用:800円
基本インターフェース
s_App再生画面 013

アルバムアート拡大
s_App再生画面 015

わりと最近まではSongBook DSという名称であり、“DS用高級操作アプリ”として一世を風靡したような気がするが、いつの間にかUPnP対応汎用アプリとなり、価格も大幅に下がった。(現在上位版としてSongBook’11 UPNPがある)SongBook DS時代に1万も出して買った身としては忌々しい話である。
ChorusDSに比して安定性の点で一歩劣る感があるものの、全体的な完成度は非常に高く、非DSユーザーにとっては決定打となりうる。
ちなみにLINNのCEOはChorusDSよりSongBookが気に入っているらしい。
音源のフォーマット、スペックの表示機能あり。
 
 
 
【SongBook’11 UPNP】 有償・iPhone版:2200円 iPad版:4300円
基本インターフェース
s_App再生画面 012

アルバムアート拡大
s_App再生画面 013

SongBookの“現在の”最上位版。iPhone版では従来のSongBookと同じインターフェースを継承するが、iPad版は完全に刷新されている。刷新されてはいるのだが、動作はなんとも不安定であり、操作系も煩雑で洗練されているとは言い難い。
目新しく、かつ面白い機能も多々備えているため、今後の安定性向上に期待。
音源のフォーマット、スペックの表示機能あり。
 
 
 
【Kinsky】 無料 ※iOS版
基本インターフェース
s_App再生画面 001

アルバムアート拡大
s_App再生画面 004

もともとはLINNがDSのコントローラーとしてPC用に作っていたソフトで、そのiOS版。PC版もそうだが、なぜかDS以外の機器も動く。要はUPnP/DLNA準拠の汎用アプリとしても機能する。
iOS版はPC版をそのまま移植した感じであり、ChorusDSやSongBookに比べると今一歩洗練されていない印象を受けるが、全体的な操作感は上々。さすがにLINN純正だけあって安定性も高い。不意な大ボリュームを回避できる仕組みも好印象。ちなみに再生時、アルバムアートが最も大きく表示されるアプリである。
なんにせよ無料なので、試してみる価値はある。
音源のフォーマット、スペックの表示機能あり。
 
 
 
【DiXiM DMC】 有償・iPhone/iPad共用:350円
再生画面
s_App再生画面 020

NA7004やNP-S2000といった国産ネットワークプレーヤーと同時期に颯爽と登場した国産アプリ。DLNAにおけるDMCをそのまんま名前にする潔さは素晴らしい。実際、DLNA対応機器を“見つけてくる”能力は大したものである。当初は無料だったが現在は有償。有償化に際して機能拡張をした完全版でも出るのかと思ったがそんなことは無かった。
特筆すべきは抜群の動作速度と、そして“タイル表示”の面白さにある。しかしタイル表示にするとメモリの関係か、結構な確率で落ちる。iPad2になってメモリが増えてもやはり落ちまくる。
ちなみにDSで使うと謎のバグが生じてDSの電源を入れ直す羽目になる。
音源のフォーマット、スペックの表示機能なし。
アルバムアートの拡大表示もできず。
 
 
 
【PlugPlayer】 有償・iPhone/iPad版それぞれ450円
再生画面
s_App再生画面 006

UPnP/DLNAで使える安いコントロールアプリとして名前だけはよく見るが、SongBookの汎用化やDiXiMの登場によって相対的に地位は低下しているように思う。DS以外を使う時でも、素直にKinskyを使えばいいような気もする。
割と頻繁にアップデートをしており、選曲時のアルバムアート表示に対応する等、機能面で着実に進歩はしてきている。
音源のフォーマット、スペックの表示機能なし。
やはり操作性的にロートルになっている感は否めない。
 
 
 
【eLyric】 有償・iPhone/iPad版共用で850円

基本インターフェース
s_App再生画面 005

アルバムアート拡大
s_App再生画面 009

『eLyric』とはアメリカのオーディオメーカー、PS Audioがリリースしているネットワークオーディオのコントロールアプリである。PS Audioとはご存じのとおり、ネットワークブリッジを追加することでネットワークプレーヤーになるPWDというDACを発売している。eLyricは基本的にはPWD用の純正アプリという立ち位置だが、LINNのKinskyと同様、UPnP/DLNA対応の汎用アプリとして動作する。さらに試してはいないが、『eLyric Music Manager』というPC用音源管理・再生・サーバーソフトも自前で用意しているという徹底ぶり。その意気やよし。
コントロールのための機能は一通り揃っている。



ネットワークオーディオTipsまとめ