・アーティスト / アルバムタイトル
KOKIA / I Found You
・購入元
VICTOR STUDIO
・スペック&コーデック
96kHz/24bit FLAC
・音源情報(ダウンロードした時点)
・アルバムアート
1400×1400で最初から埋め込み
・その他諸々
要ジャンル登録
CDとは微妙にアルバムアートが違う
CDに入っているボーナストラック「Spirits」は含まず
・音質所感
前作『Where to go my love?』がK2HDでリリースされたことに内心失望しすぎたせいか、ハイレゾ版がCDと同時リリースされたことすら気付いていなかったという有様。結果的にCDと聴き比べが出来たが。
やはりCDとは違う。
差異の方向性は前作と同様だが、変化の幅は前作以上。
無理矢理音が詰め込まれた感が薄まり、ストレスなく音が広がる。コーラスワークがほぐれるほぐれる。これは「I Found Love」で顕著。
「I Found You」の冒頭のピアノに感じる硬質さもうまい具合にやわらいでいる。
究極的にはYesとKOKIAのためにオーディオをやっているような私にとって、Yesに続いてKOKIAもアプコンの類ではないハイレゾ音源が聴けるようになったことは感慨深い。望み薄とは思うが、過去作のリマスター&ハイレゾリリースも期待したい。
前作がまさかのK2HDだったことで、「KOKIAは未だにハイレゾで音源製作をしていないのか……」と絶望したものだったが、少なくともこれからはそういうことはなさそうだ。
ところで話は変わるが。
幸いにして、私はハイレゾというだけで高音質を確信できるほどオーディオという趣味を舐めていないし、ハイレゾならば素晴らしく高音質などという幻想を吹聴できるほど恥知らずでもない。
私の経験からすれば、「聴く音源がハイレゾか否か」がシステムトータルの音質に与える影響は非常に小さい、と言わざるを得ない。
同一音源がCDとハイレゾで音が違うことは確かだが、その差はスピーカーのセッティングの巧拙で容易に吹き飛ぶ程度のものだ。
それよりも、リマスターなど、音源そのものの差の方が遥かに大きい。
さらに言えば、元が大したことのない音源をハイレゾで聴いたところで、良録音のCDには逆立ちしても敵わない。
どれだけハイレゾを救世主のごとく礼賛しても、それを構成するスペックは何処まで行っても所詮器である。
そんなに高音質が欲しいのなら、スピーカーかヘッドホンを替えればいい。ハイレゾ云々を考えるのが馬鹿馬鹿しくなるほどの歴然たる変化を味わえる。
ハイレゾだから音がいいのではない。
オーディオとはそんなに単純なものではない。
ハイレゾとは高音質を実現するためのほんの一要素でしかない。
それではなぜわざわざハイレゾ音源を買うのかと言われそうだが、それはハイレゾ音源が「CDというフォーマットに収めるために余計な加工をしていない(あるいは限りなくそれに近い)音源」だからだ。それ以上でもそれ以下でもない。
しかし、ユーザーからすればそれこそが重要なのだ。わざわざオリジナルから劣化させた音源を選ぶ理由はない。BDが出ている、あるいはBDを出せる状態なのに、なぜDVDを買わなければならないのか。それと同じだ。
だからこそ、単なる後出しハイレゾ商法は非常に萎える。出せるなら出し惜しみせず最初から出してほしい、というのが私の切なる願いだ。
「ハイレゾか否か」と「高音質か否か」は別問題、なんてことはとっくに承知している。
しかしそれでも、そこに高音質の可能性がある以上、オーディオを趣味にする人間にとってハイレゾ音源は無視することができない。
その音源を愛するからこそ、既にCDを持っていても、ハイレゾが出たとなれば手を出してしまう。喜ばしいリマスターだろうと、忌々しい単なる後出しだろうと。
たとえそれが、多くの場合DVDからBDの買い替えのような明確な質的向上をもたらすものではないと、何度も何度も身をもって思い知っていたとしても……
【ハイレゾ音源備忘録】 目次
【ハイレゾ音源備忘録】KOKIA / I Found You
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