「言いたいことを言える場所を自分で作る」べく、このページを立ち上げたのは約2年前。

 かつて書いていた某所から移植した記事と、立ち上げ後に追加した記事を合わせて【音源管理の精髄】&【ネットワークオーディオTips】を公開したのが2013/11/11。
 はじめはネットワークオーディオというものについて空虚な喧伝を繰り返す業界への失望が根底にあり、あくまで「ネットワークオーディオTips」として記事を書いていた。しかし、次第に前提となる「音源」そのものに対する業界全体の認識の低さに思い至り、今のタイトルを考え付いた。

 仮に雑誌やネットで素晴らしい記事が単発で書かれても、意図して拾い上げておかなければ、それらは瞬く間に流れ去り、忘れ去られてしまう。結果としてノウハウの蓄積は一向に進まない。そんな現状に危機感を覚え、「そんなことはとっくに知っている」と言われるのを承知で、とにかく情報を一か所にまとめるべく記事を書き続けてきたことは、今までに何度も述べてきた。
 当初想定したボリュームを大幅に越えて、なんとか【音源管理の精髄】&【ネットワークオーディオTips】が一通り完成したのが約1年前。結局書けば書くほど「あれも必要、これも必要」ということになってしまった。
 それからさらに1年、必要と思う記事を書き続けてきたが、知ってはいるが吐き出せていないものや検証の及んでいないものなど、記事としてまとめられていない内容もまだまだ多い。正直言って気が遠くなるが、現時点でもある程度のものは出来上がったと思う。

 このページがデジタルファイル再生あるいはネットワークオーディオに取り組む人々、さらにはオーディオ業界全体にどれだけ寄与できているかは定かではないが、PVを見る限りまったくの無駄ではなかったと信じたい。

 最近は音楽ストリーミングサービスの興隆、特にTIDALのような音質的に一線を越えたサービスの登場により、ユーザーひとりひとりが構築したローカルのライブラリの価値が相対的に低下しつつあるようだ。この傾向が行き着くところまで進めば、もはやユーザー側で音源を管理運用する必要はなくなり、【ネットワークオーディオTips】はさておき【音源管理の精髄】はノウハウとしての価値を失うだろう。
 ま、これは既に分かり切っていたことだし、そうなったらそうなったで別に構うまい。

 その時は「かつてこのようなノウハウが必要とされた時代があった」ということを物語る記憶として、歴史の1ページになるだけだ。