*

LUMIN L1 運用編

 L1における最大のツッコミどころ。


 あらためてL1のクイックスタートガイドを見てみる。
 10


・ADD MUSIC
 PCからUSB経由でデータを入れてね、と。
 まぁ、NASよりUSB3.0の方が速いし、そういうこともあるだろう。

 というわけで接続すると、なんてことなく外部ストレージとして認識される。
 ここに音源を突っ込む。
WS000462

Simply drag and drop your music onto LUMIN L1 like a USB disk drive




 ……あまり速くなかった。
WS000463


・SHARE MUSIC
 音源を入れたところで、今度はネットワークに接続する。
 音源のスキャンが始まる。所要時間はアルバム100枚/2分。結構待たされる感。ただし一度スキャンが終われば、電源を入れ直しても起動時間のみで再スキャンは必要ないようだ。
 ここでアプリ上にL1が現れる。挿せば繋がる。
22


 では、ネットワーク経由で音源を見てみよう。
WS000464
WS000465

 と、ここである事実に愕然とする。

 L1はネットワーク経由でファイルをやり取りできない。
 上記画像で見えているL1と中身のフォルダは、あくまで“こんな音源が入っている”と確認するためのものでしかない。
 すなわち、新しく音源を入れたり編集したりしようとするとき、L1はそのたびにいちいちPCとUSBで接続する必要がある。
 L1の背面にあるLAN端子は“音楽を再生するためだけ”にある。



 整理しよう。
 L1をミュージックサーバーとして使うためには、

1.PCとUSB接続して音源を入れる

2.ネットワークに接続する

 音源を増やしたり編集したりといった変更があるたびに、この二つを繰り返す必要がある。


 意味が分からない。
 なぜこんな仕様にしたのだろうか。

 「どうせ大多数のオーディオマニアはネットワークのことなんてさっぱり理解してないだろうから、データはUSBで入れるようにしてその都度繋ぎ変えさせればいい」とでも思っているのだろうか。

 ……実際その通りなのかもしれない。
 ネットワーク、NAS、サーバーソフト。ネットワークオーディオの快楽を享受するために把握すべきことは多岐に渡る。元々そういった分野に精通している人ならともかく、研究や追求が苦にならない人であっても、正直言って大変である。現に私も、恥ずかしながらネットワークオーディオの文脈で初めてNASという言葉を目にしたくらいで、ネットワークの諸相を理解・把握するために相当苦労した。

 ショップでネットワークオーディオプレーヤーを聴いて、「いい音だな」と思っても、ネットワークやサーバーを構築するのが導入の足枷になっているという人の話はよく聞く。
 きっとL1は、そんな人たちのための製品なのだろう。

 とにかくシンプル。
 繋ぐ。音源を入れる。繋ぎ直す。
 それ以外は何もできないくらいシンプル。

 しかし、LUMINのネットワークオーディオプレーヤーは本体に一切操作ボタンを持たず、ハードリモコンも用意せず、コントロールは全てアプリ上で行うようになっている。
 L1を使おうが使うまいが、どのみちネットワークの構築は必須である。“サーバーに音源を入れる”という一点だけネットワークを不要としたところで意味がない。

 せめてネットワーク経由でもファイルのやり取りが出来るようにしてもらいたい。
 現状の仕様ではあまりにも運用がめんどくさいし、なにより無意味。



 純然たるオーディオのためのストレージ、それがL1である。

 LUMIN L1はNASではない。

 繰り返す。

 LUMIN L1はNASではない。


 搭載しているサーバーソフトは極めてシンプルで、機能拡張の余地もない。
 PCとネットワーク経由でファイルをやり取りするという、NASとしてあまりにも当たり前の機能すら備えていない。
 “シンプル”と言えば聞こえはいいが、これではあんまりだ。


 それでは、L1の価値とはいったい、どこにあるのか?


 続く。

スポンサーリンク


関連記事

【UHD BDレビュー】第32回『メッセージ / Arrival』 米国盤

画質:7 音質:8 (評価の詳細についてはこの記事を参照) 映像:HEVC 2

記事を読む

BD化を待ち望む作品10選

 BDのローンチから9年。  長らくBD化が待ち望まれてきた数多の作品も、年月の中で着実に消化され

記事を読む

LUMIN L1 続・音質編

前の記事  前回の試用ではS1との組み合わせだったが、本導入の今となってはA1との組み合わ

記事を読む

no image

【BDレビュー】 第181回『サウンド・オブ・ミュージック』

今回から見所と聴き所を別途書いてみようと試みる 画質:8 音質:8 映像はAVC

記事を読む

【BDレビュー】第292回『新世紀エヴァンゲリオン劇場版 Air/まごころを、君に』

画質:8 音質:8 映像:AVC 音声:リニアPCM 5.1ch 16bit

記事を読む

LUMIN U1を試す 接続&運用編

ハード編    DAC入りでそのまんま音が出るプレーヤーとは違い、LUMIN U1はトランス

記事を読む

LUMIN L1来たる

 ちょっと来すぎじゃないですかね……  L1とは、LUMINが自前で作ったミュージックサー

記事を読む

【システム】 Pioneer SC-LX85

 Marantz PS4500 → Sony TA-DA3200ES → Marantz SR600

記事を読む

雪国、冬、静寂

 今年は暖冬で例年と比べて随分と遅くなったが、いよいよオーディオにとって最高の季節がやってき

記事を読む

【RoonReady】exaSound PlayPoint

 UPnP/DLNAにあって、OpenHomeやRoonReadyのプラットフォームにないもの。

記事を読む

スポンサーリンク

Message

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

スポンサーリンク

【ホームシアターでゲームをしよう!】第2回『ドラゴンクエストⅪ 過ぎ去りし時を求めて』

https://www.youtube.com/watch?v

【ハイレゾ音源備忘録】Nicogi / 蜃気楼

・アーティスト / アルバムタイトル Nicogi /

【ホームシアターでゲームをしよう!】再始動

 諸事情により、第1回『The Last of Us』以来

【ハイレゾ音源備忘録】Nicogi / Precious Morning

・アーティスト / アルバムタイトル Nicogi /

【BDレビュー】第345回『RWBY Volume 4』

画質:8 音質:6 (評価の詳細についてはこの記事を参

JPLAYの入門ガイドを作成しました

JPLAY日本語公式ページ →PCオーディオ入門者向け設定ガイド

月刊HiVi 2017年10月号に記事を執筆しました【おまけつき】

月刊HiVi 10月号 9/16発売 祝35周年・UHDブ

【ハイレゾ音源備忘録】Helge Lien Trio / Guzuguzu

おまえの新譜グズグズじゃねーか(歓喜) ・アーテ

【ハイレゾ音源備忘録】Tingvall Trio / Cirklar

・アーティスト / アルバムタイトル Tingvall

【ハイレゾ音源備忘録】Julian Lage / Arclight

・アーティスト / アルバムタイトル Julian La

【レビュー】DSP-Dorado 音質編

外観・導入編 設定・運用編 ・再生環境(詳細)

【UHD BDレビュー】第33回『ザ・コンサルタント / The Accountant』

画質:6 音質:8 (評価の詳細についてはこの記事を参

【レビュー】DSP-Dorado 設定・運用編

外観・導入編  DSP-Doradoは意外と(?)多機能

【イベント情報】東京インターナショナルオーディオショウに参加します

 既にオーディオ誌で見たという人もいるかもしれませんが、 2

【UHD BDレビュー】第32回『メッセージ / Arrival』 米国盤

画質:7 音質:8 (評価の詳細についてはこの記事を参

【レビュー】SFORZATO DSP-Dorado 外観・導入編

「純粋なネットワークオーディオ」への憧憬 続・「純粋なネットワークオ

激突! OpenHome/UPnP vs Roon Ready/RAAT

 今回は音質面の話。  「Roon ReadyはUPnPベースのシス

【UHD BDレビュー】第31回『キング・コング:髑髏島の巨神』 【Dolby Atmos】

画質:7 音質:10 (評価の詳細についてはこの記事を

【UHD BDレビュー】第30回『ハクソー・リッジ』 米国盤 【Dolby Atmos】

画質:9 音質:15☆ (評価の詳細についてはこの記事

【UHD BDレビュー】第29回『許されざる者』 米国盤

【BDレビュー】第112回『許されざる者』 画質

→もっと見る

PAGE TOP ↑