Hなんとかと付き合ったパラマウントの業が最も色濃く顕れた不運なソフト。

Hなんとかとの兼ね合いで音楽モノなのにロスレス音声収録せず

パラマウントのHなんとか専念でBD版は販売中止

Hなんとか全滅後に厚顔無恥に再発売、ただし糞仕様の焼き直し


これ以後のパラマウントは改心して出来の良いソフトを送り出しているだけに残念極まりない。
作品への愛があるならばきちんとした仕様で再発すべき。


画質:7 音質:7


映像はMPEG2でビットレートは30Mbps前後を推移。
音声はドルビーデジタルのみ。

画質について。
おそらくはMPEG2の限界が見える画質。
煌びやかな場面、ステージのまばゆい照明や鮮やかな色彩の表出はなかなか見事で、一見して高画質――特に最初に発売されたBD黎明期なら――ながら、暗部の情報は相当抜け落ちている。あるレベルを下回ると一気に真っ黒になって何も見えなくなってしまう。
ドリームガールズの舞台はたいてい闇がベースにあるのでこの問題は致命的。俺は光にしか興味が無ェ!と言うなら話は別だが。
画の情報量という点では全体的に頭打ち感が漂う。幸いにして初期のMPEG2収録のソフトにありがちなノイズの類は見られないものの、質感のレベルにまでは踏み込めていない。特に一肌、ツラ。多分に“黒人女性の肌の美しさ”にも焦点が当たっている映画と思うので、もっともっと見えて然るべきのような。
まぁ最初期のソフトの焼き直しならこんなもんか。

音質について。
オペラ座の怪人にヘアスプレーという強大な先達(発売時期的には後だが)がいる以上、圧縮音声しか収録していないドリームガールズはいささか分が悪い……と思っていたら案の定。
収録されている音圧レベルもだいぶ低いが、それを上げていくと圧縮音声の弱点が露見する。
とにかく声が弱い。力がない。伸びやかさがない。つっぱっていかん。フロントセクションばかりでちっともサラウンドチャンネルを使わないのは音響制作上の問題として棚上げするとしても、この声の問題ばかりはどうしようもない。不愉快なリミッターがかかったような声で、ヘアスプレーの生命力漲るそれに比べて遥かに落ちてしまう。楽曲自体は素晴らしいので残念。
やっぱりロスレス音声入れて再発すべき。



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