ソフト・ハードともに色々とレビューしてきた。
しかし、「そんな環境で画質音質もクソもあるか」と言われてしまえばおしまいである。何より私自身、そう思うことが往々にしてある。
というわけで、レビューを単なる放言にしないためにも、海外のオーディオ系メディアを見習って視聴環境を基本的に公開してきた。これはレビューをするうえで最低限果たすべき責任だと考えている。
そしてオーディオを志す者として、可能な限り恥ずかしくないセッティングを心掛けてきたつもりではある。
以前は視聴位置の左後方にでっかいBDラックを置いていたのだが、
ついにそれも別室に移動した。
あわせて、空間のバランスを取るべく視聴位置の右後方に置いていたAV関連機器のラックも移動した。
詳細は例によってシステムまとめを見てもらうとして、これで「完全なシンメトリー設置」という長年の夢が叶った。まあ、換気扇やら電源タップの位置やらドアの存在やらを考えれば未だに厳格な意味でのシンメトリーではないのだろうが。
いずれにしてもBDラック撤去の効果は著しく、今までどうセッティングを詰めても解消できなかったボーカル定位のわずかな揺らぎも完全に解消された。サラウンドでの改善も大きく、むしろセンタースピーカーを使っていた時よりも定位がビシッと決まっているほど。障害物がなくなり、サラウンドバックスピーカーをより良い場所に設置できるようになったおかげで、空間の広がりもさらに増した。
壁にソフトラックが並び、レコードにせよCDにせよBDにせよ、大量のソフトが壁一面を埋める様は確かに壮観だし、いかにもオーディオルーム! といった雰囲気も出る。
しかし、前々から思っていたことだが、ソフトが視聴室に置かれている必然性はない。純粋に音のことだけを考えるなら、置かずに済むならそれに越したことはない。さすがに「置けば音が良くなるソフトラック」なんてものは聞いたことがないし。
とはいえ、生活空間との兼ね合いから、ソフトも視聴室に同居せざるを得ない場合がほとんどではなかろうか。機器だけでなく、ソフトのラックも含めてシンメトリー設置を実現するのはなかなかに困難だと思われる。
オーディオという趣味を始めて以来ずっと、私にとって「視聴環境からソフトラックの類を放逐すること」と「完全なシンメトリー設置を実現すること」はほとんど同義だった。そして幸いにも、私はそれらを実現するための空間的余裕にも恵まれていた。最初はPCやら何やらを含め、生活空間と視聴環境を一緒にしていたが、早々にそれをやめ、ついにソフトラックも撤去してシンメトリー設置を実現した。ついでに言えば、ネットワークオーディオへの取り組みが物理的にも精神的にもソフトラックの撤去を後押ししてくれた。どうせやるなら徹底的にやってやろうじゃないか。
実にめでたい。私のオーディオ趣味もとうとうここまでやってきたという実感と喜びがある。ルームチューニングやら何やら、これからやりたいこともまだまだ多い。とりあえずは壁との距離が近いサラウンドスピーカーに関して何かできないものか。
情熱を注げば応えてくれる。
いやー、オーディオは楽しいな!
より好い視聴環境を目指して
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