画質:8 音質:12


映像はAVC、音声はDTS-HDMAの24bit

画質について。
90年代フィルムのお手本のような映像。精細感はわずかに不足気味な場面もあるが、濃密なグラデーションと映像そのものの品位の素晴らしさで補って余りある。
画質的に特に素晴らしいのは燦々と照りつける太陽の下ではなく、むしろ日暮れの情景や洞窟の中といった暗がりの中である。ノイジーに転ぶことなく、デジタルにありがちなマッハバンドが出ることもなく、闇の中の黒の立体感や、目の覚めるような美しいグラデーションを見せる。
気品ある内容に相応しい、ジェントルでノーブルでチャーミングな画である。
ひとつ面白いのは、デラ・ベガ→エレナの視線の場合、明らかにエレナの表情にピントが合っていないこと。勿論その意図は分かる。んーーーーーっ、こういう表現の妙もBDならでは!!
見どころ:
ゾロの訓練場
日暮れの空

音質について。
極めて稀な、ダイアローグの優秀録音盤。役者の声を聴いているだけで音響的におなか一杯になれるレベルのソフトである。今までこの評価をしたのはレッド・ドラゴンのみだが、ゾロも視聴記執筆にあたって視聴したところ、十分この評価に値するものだと確認できた。さすがにレッド・ドラゴンほどではないにせよ。
まさに神父様(偽物)が言うところの「ディープ・ボイス」そのものである。舌がぬめり、唇がこすれ、唾液が滴る。力強く、かつ繊細な声がカリフォルニアの空気に響く。アントニオ・バンデラスの声にキャサリン・ゼタ・ジョーンズが不埒な感情を覚えるのも致し方あるまい。
しかし、アンソニー・ホプキンスはレッド・ドラゴンとマスク・オブ・ゾロの両方に出演し神がかったダイアローグを聴かせてくれる。AVにおけるキング・オブ・ダイアローグとでも呼んでしまおうか。
くわえて、ゾロは活劇映画である。素晴らしいダイアローグの表現力に加え、アクションの音響も一切手抜きが無く素晴らしいの一言。弾ける火薬と剣劇、歓声を勇壮な音楽が包み込む。音響的なテンションは物語とともにテンションを上げていき、同時にクライマックスを迎える。
血沸き肉踊る。
人々と一緒にZorro! Zorro!と叫ぶ自分がいる。
聴きどころ:

クライマックス



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