画質:12 音質:10


映像はAVC、音声はDTS-HDMAの24bit

画質について。
深いフィルムの喜びに満ち溢れた画。
冒頭、舞台となるスコットランドの原風景を空撮で捉えたシーンから背筋がぞくぞくとなること間違いなし。艶やかな緑と青は視覚のご馳走である。
見事なのは空気感の表出。
キングダムオブヘブンやらグラディエーターやらキングアーサーやらでも感じたことだが、北ヨーロッパの空気感はつまるところ“蒼い”んだろう。で、フィルムだからこそ、この蒼い空気感をここまで明確に写し撮れたという面もきっとあるだろう。どこか冷気の漂う、きりりと透徹した清澄な空気が全編に満ち溢れているのだ。フィルム撮影末期の精細感や情報量は実に力強く画面にみなぎり、色彩もまた濃厚さと清廉さを同居させる真の鮮やかさを有する。そういった画質の基礎体力の上に、スコットランドの蒼い空気感が付与され、完成された画のなんと奥ゆかしく美しいこと。
こんなにも美しい故郷なら、背負って立ちたくもなろう。
言うまでも無く、圧縮に伴うノイズやら荒れといった技術的難点は見受けられず。
お見事!

音質について。
スコティッシュミュージックが素敵過ぎる。心の琴線をがりがり掻き鳴らすね。
力強いダイアローグ、勇壮な音楽、戦場の怒号、殺戮の熱気、どれもこれもけちの付け所が無い。
マルチチャンネル――移動感の活用や突き抜けるような瞬発力はそれほど無いものの、こちらも映像同様、豪胆さと繊細さを両立させた素晴らしい出来栄えである。



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