画質:7 音質:8


映像はAVCでビットレートは30台以上で高めに安定。
音声はドルビーTRUEHDの16bit。

画質について。
90年代のフィルムとしては少々物足りないところがあるが、さすがにDVDとは比べ物にならないし、ハイビジョンディスクとして一定の水準はどうにかクリアしている。
28日後……にもつながるダニー・ボイル独特の画調・色調が印象的で、スコットランドのファッキン青空やガッデム草原が画面いっぱいに映し出されるとなかなか目に染みるものがある。明らかに意図的に付加されたものであろう傷や汚れが終始画面上をうろちょろするが、それが不要なノイズ等を伴って悪さをすることは無い。
メディアや圧縮等の技術に起因するくだらない問題を気にすることなく、純粋に作品と対峙できることこそBDの本懐。その点においてこのソフトはその理想を体現するが、客観的には高画質と薦めるには及ばない。そんなソフト。

音質について。
意外とまとも。
ラリった映画だけれど。
マルチチャンネル・サラウンドが活用されるのはほぼ歌が流れる画面に限られる。その際のサラウンドミックスは大して上手でも凝っているわけでもないが、単純さと安直さが生むある種の分厚い包囲感がある。前述したとおり、ラリっている割には音響自体はそれほどラリってもいない。アンビエント?(こういう時にこそ自分の音楽知識の乏しさが情けなくなる)な音楽が終始アンニュイな具合で鳴っている。ドラッグの高揚感や浮遊感はあまり感じられず、けだるい穏やかさこそが支配的。
歌以外の場面で音が高揚するのは、ドラッグではなくむしろ希望の発揚によってである。



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