画質:14 音質:12   ※旧版は12の9


映像はAVCで基本30台のハイビットレート。旧版よりは低め。
音声はドルビーTRUEHDとDTS-HDMAの24bit。

画質について。
スルメ画質。
画作りや色彩、ぱっと眼に入る情報量や解像感といったものは既に旧版で完成形に到達していたので、アブソリュートエディションではどう進化するのか興味津々でしたが、なるほどこうきたか。
最初は分かりやすい比較のために毎度おなじみお祭りの場面から見始めたんですけど、明るく煌びやかな場面だとどうにもあまり違いが見えない。うーむとなったところで少し暗い場面、薄暗い路地をキャラクタが歩いているような場面になると一気に違いが見えてきました。
暗部領域、微細領域の情報量が激増しています。“見えてないけど別に見えなくても気にならない部分”が一気に現われてきました。見れば見るほど、どこに何があるのか把握すればするほど、未だ見知らぬ新たな情報と出会います。AVCにコーデックが変わったことに伴う情報量の増加が実に効果的に作用した結果、なんとも味わい深いスルメ画質に仕上がりました。
“なんちゃってフィルムグレインエフェクト”は旧版から継承していますが、それも含めてヴェールを1枚くらいはがした感じにはなってます。
画質評価15点をあげてもよかったですけど、少なくとも二か所にマッハバンドを見つけたので14点。オープニングのは製作時点で出てますね、たぶん。

音質について。
旧版の7.1chに対してこちらは6.1chだけど、旧版はサラウンドバック2chが同一音声だったらしいので基本的にチャンネル構成はおんなじ。
さて、アブソリュートエディションでは旧版の16bitに対し24bitでの収録になっているわけですが、旧版ではついぞ得られなかった荒々しい威力に満ちています。
いわゆるダイナミックレンジの両翼がぐぐっと伸びて、急峻に立ちあがる鋭い音の威力から微小な音の繊細さまで、音の一つひとつがだいぶグレードアップしています。マスタリングし直したんじゃないの?と思うくらい違う音に聴こえる場面もかなりありました。ひょっとしたらロスレス音声収録にあたってほんとに再マスタリングしてんのかも。
銃声や破壊音の轟く大音響の場面でも存分にカタルシスが得られる威力を得られたのは実に嬉しいことです。


最初期にして今でも相当な高品質なソフトが、一年半の時を経てさらに素晴らしい画質音質を手にしました。
一年後か二年後か三年後かはたまた五年後か……いつの日かワーナーが心の底から目覚めた日には、今まで辛酸をなめ続けてきたソフト達も大きな恩恵を受けられるでしょう。



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