絵を見もしない人間がガタガタ抜かすな。
これはアニメだ。
動く絵だ。
画質:13 音質:9
映像はAVCで30台後半を維持。
音声はリニアPCM。
画質について。
現状、イノセンスと並んで最も視覚情報量が多いアニメ。
イノセンス同様、“DVDに対してオーバースペック”と私が言い続けてきた作品。
それは誰にも理解されなかったけれど、BDを見るとそれが事実だったと確信できる。
極致である。
これこそがまさに動く絵の理想を体現する、アニメーションの真髄の現代における形である。
日本初のフルデジタル劇場アニメーション企画として誕生したスチームボーイが、BDの登場をもってまさに真の姿を我々の前に現した。なんと記念すべきことであることか。
2時間を疾走する豪華絢爛な動く絵巻。
酔えぬ人間は永遠に沈黙せよ。
現実から切り取った実写映像などとは比べ物にならない程に、無から生み出された絵はその再現に関して繊細な表現力を求められる。
イノセンスと違いフィルムグレインの類のフィルターは無く、一切の汚濁の介在しない恐るべき鮮度の絵を見せ付ける。それゆえに、映像装置の“絵”の表現力を測るうえで最良の素材になるだろう。
なお、このソフトにおいてモーションフローは絶大な効果を発揮する。
音質について。
DVD版の情けない音とは打って変わった力強い音。
ありとあらゆる場面で噴出す蒸気の音、数多登場する巨大な機械の音、細やかさも迫力もDVDとは比べ物にならない。なにより、DVDではついぞ感じることの出来なかった緊張感が得られるのは格別である。
ここまでやってくれれば申し分ない出来だと言えよう。
BDレビュー総まとめ
【BDレビュー】 第40回『スチームボーイ』
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