第八回はアニメ映画・イノセンスを取り上げます。
「アニメなんぞ所詮はオタクが傾倒する気色悪い低俗なもの」
「アニメごときにきちんとしたシステムを組んで視聴する価値は無い」
そうお考えの方はどうぞ回れ右してお帰りください。
さて、明らかに“DVDに対してオーバースペック”な映像作品はBDにおいてどのように生まれ変わったのでしょうか。
画質:9→12 音質:9
映像コーデックはMPEG-2、ビットレートは30台後半を維持。
音声はリニアPCM7.1ch、ビットレートは6.1Mbps。音声スペックは未だに最高を誇ります。
画質について。
ある意味賛否が分かれるかもしれません。アニメというと得てしてツルツルピカピカな画を想像するのですが、イノセンスは決してそうではありません。全編に渡ってフィルムグレインを纏っています。
勿論、フルデジタル製作のアニメ作品には原理的にフィルムグレインやノイズの類は存在しません。それでは何故イノセンスにはフィルムグレインが存在するのか?
それは単に、監督である押井守の趣味です。イノセンスはアニメ作品ですが、映画的な味を出したいがために、“デジタルエフェクト”としてのフィルムグレインを加えたわけです。
「何じゃこりゃ、ノイズまみれじゃねーか! クソ画質!」とわめくのはただのアホというわけです。
そのことについて理解したら、ようやく画質を評価する機会が訪れます。
画質は長らく最高水準、そして今でも非常に高水準です。
アニメは結局のところ実写以上に一枚一枚の“絵”の連続です。映像デバイスが音と違い最後の最後までデジタル表示になる以上、解像度というものが最終的な画質を決定します。そんなわけで、HD解像度のBDに収録されて、イノセンスはようやく本来の姿を見せたのです。DVDのたかがSD解像度で再現できるような映像ではありません。それがDVDに対してオーバースペックという所以です。
最初にリリースされたアニメのBDソフトでこれだけのクオリティを出したことは素直に評価されてしかるべきです。ソニーPCLに拍手。
☆テレビ買い替え後。
素晴らしいッ!
コレは文句無く素晴らしいッ!
テレビを買い換えてようやく真の姿を見せたなッ!!
音質について。
音声は怒涛のリニアPCM7.1ch収録で、これは現時点でも最高スペックを誇ります。
が、音質そのものはそれほど……かな?
DVDと比べたり、同時収録の圧縮音声と比べると段違いではありますが、それでもステルスのような劇的な向上は見られません。
結構抑制の効いた音響製作のようで、リアルですが地味です。
おまけ
やっぱりアニメって軽んじられてるよね。
アニメも映画フィルムと同じく秒間24フレームなのに、最近話題の24P出力を誰一人として試そうとしない。まるで見向きもしない。
舐められてるよね。畜生。
いいよ、いずれ私がやるから。
明日、ロッキー・ザ・ファイナルの即日視聴記やります。
BDレビュー総まとめ
【BDレビュー】 第8回『イノセンス』
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