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【BDレビュー】 第201回『借りぐらしのアリエッティ』

公開日: : 最終更新日:2013/12/15 BD・ホームシアター関連, オーディオ・ビジュアル全般

画質:15 音質:10


映像はAVC、音声はDTS-HDMAの24bit

画質について。
かつてナウシカのBDに入っていた本作の予告編を見た時にはえらい高画質だと思ったものだが、実際にリリースされたBDもその時の印象を裏切ることは無かった。
ポニョと同じレベルの画質である。
むしろ、ポニョよりも背景美術がハイディティール路線のため、視覚的な充実度はこちらの方が上と言える。
ポニョで見受けられた、“フルデジタル制作のアニメにフィルムっぽい質感を出す”ある種のフィルターワークはより進歩しており、さらにさりげなく、繊細になっている。デジタル制作アニメゆえの透徹した解像感を殺すことなく、温かみのある画となっているのは素晴らしい。ジブリはスタジオの方針として、いかにもデジタル然としたツルピカテカテカの画は今後も頑として作らないということなのだろう。
色彩も実に滋味溢れる仕上がり。コントラスト的にはダイナミックレンジはそれほど広くは無いが、そのぶん見目麗しい、見て眺めて心に残る美味しい領域に極彩色が花を咲かせる。
PHLも相変わらずいい仕事をしているし、この調子でいけば旧作はともかくとして、わりと近年の作品に関して言えばジブリのBDのクオリティは無条件で太鼓判を押していいレベルになるのではなかろうか。
見どころ:
背景美術全般
木漏れ陽

音質について。
画質はある意味で順当な最高評価と言うべきものだが、むしろ驚いたのは音質の方である。
ポニョの煮え切らないダイナミックレンジの狭い音、ナウシカの古臭く耳につく音など、いまいちジブリ作品のBDは音質的には大して見る(聞く)ところは無いのだが、アリエッティはのっけから驚いた。
非常に良録音である。
冒頭のボーカル曲から、キている。粒立ちよく、スッと立ち上がり、空間に染み入り、しっかりとサラウンドを使ってアンビエンスを残していく。今までのジブリ作品のBDは何だったのかと言わんばかりの、見本のような現代的音響だ。
“人間”サイズではBGMも効果音もステレオ主体であり、サラウンドチャンネルはアンビエンスの表出に主眼が置かれ、音響は全体的に一歩引いたような感覚だが、“小人”サイズになるとまさしく世界が変わる。相対的に、圧倒的に巨大な世界に満ちる音は一気に音圧を、存在感を増し、むしろ大げさくらいにサラウンドをめいっぱい使って表現される。風の音、葉のこすれる音、雨の音、人間の動く音などなど、小人から見た世界の巨大さ、存在感がダイレクトに音響に反映されており、人間視線と小人視線で明確に差別化された音作りは作品を見るうえで大いに説得力を生んでいる。
やはり若い監督が作ると音響も現代的精緻さを持つのだろうか。
聴きどころ:





BDレビュー総まとめ

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